飲食業の「まかない」と源泉所得税

まかないを支給すると給料を現物で渡したのと同じことと考えられるので、源泉所得税の対象となってしまうため注意が必要です。A0960 006448

「まかない」は現物で給料を渡したのと同じ

税金の世界では、「まかない」の支給は「給料」を「現物(食事)」で支給したのと同じ取扱となります。給料を渡すと、その金額に基づいて源泉所得税などが計算され、天引きして残りの金額を従業員などに支給することになります。まかないは、月によって変動しますから、普段の給料に加えてまかないの金額も加算して給料を計算する必要が有ります。

 

「まかない」が給料として課税されると、従業員側は給料が増えるので源泉所得税などのように給料に連動して差し引かれる金額が変わるのですが自分で計算するわけでもないのであまり気にしません。

 

一方、給料を支払う側は計算が面倒になるし、源泉所得税の徴収漏れがあると罰金がかかったりして大変です。

 

「まかない」を給料としないためには

原則として「まかない」は給料となるのですが、次の2つの要件をいずれも満たすと給料として取り扱いません。

①従業員が食事の価額の半分以上を負担していること。

②次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること。

 (食事の価額) − (従業員が負担している金額)

※食事の価額は「食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額」

 

要するに、会社(事業主)の負担額が月あたり3,500円以下であって、かつ、従業員が「まかない」の代金の半分以上を負担していればOKということになります。

 

従業員から「まかない」代をもらっておくのが無難かな

従業員さんを手厚く扱いたいので、ガッツリまかないを出すというのであれば給料計算や源泉所得税に気をつけましょう。

 

源泉所得税などの面倒くさいことが嫌だとか、そこまで手が回らないという場合には、「まかない1食あたり」にかける材料費をいつもほぼ同じにしておいて、同額を従業員からもらうようにしておけば良いでしょう。(要するに会社が負担してる部分がなければ給料になりませんから)

 

まかない代金として、従業員さんから受け取ったお金の会計処理は、幾つかのパターンが有りますが、仕入の減額とする処理が一般的です。