車買おうと思うけど、経費になりますか?

税理士やってると必ず聞かれるこの質問。「車(車以外でもなんでも)買おうと思うけど、経費になりますか?」なりますけど…

〇〇買おうと思うけど、経費になりますかねぇ?

 

よくこういったことは聞かれますが、この系統の質問は2つの意味があると思います。一つは言葉通り、経費として認められるかということです。結論から言えば、事業に関わりのあるものであれば(言い換えると利益を生み出す元になるんだったら)経費になる」といえます。

 

裏を返せば、事業に関わりのない(利益を全く生み出さない・きわめて私的な)支出であれば経費にはならないということです。

 

そして、もう一つはいつの経費なのかという問題です。車などの比較的大きな出費の場合、一発で経費とならず分散して経費とすることがあります。

(参考)資産計上とは?…一発で費用にしないこと 

 

簡単にいえば、車が仮に5年ほど使えるとすると5年間使っている間に利益を生み出します。利益は5年間に渡って生み出されるにも関わらず、車の購入金額をそのまま買ったときの経費としてしまうと利益と経費の辻褄が合わなくなってしまいます。(会計ではこの関係を対応といいます。税務署の職員さんらも対応という考え方をしきりに口にします。)

 

ですから、一発で経費にできないので分散して経費にします。このように分散して経費にする手続を「減価償却」といっています。

 

別の切り口から言えば、減価償却は価値の減り具合を考慮して経費を計算しているともいえます。先ほどの例ですと車が5年間使用できるとすれば、5年がきっかり過ぎるその瞬間にいきなり価値がゼロになるわけでなく、5年の内に少しづつ価値が減っていくわけですね。価値は少しずつ減っていくわけだから、車も少しづつ経費になっていくわけです。(価値が少しずつ減って、利益が少しづつ生み出されているのですが、まぁ難しいのでいいでしょう)

 

冒頭の「車を買おうと思うけど、経費になりますかねぇ?」というご質問の答としては…

①事業に関係のある(利益を生み出す)のであれば、経費になります。

②ただし、比較的金額の大きな支出の場合、価値がいっぺんに無くなるわけではないので、徐々に経費になります。(全額が当期分の経費ではなく一部だけが経費になる)

ということですね。一部だけが経費になるという考え方ができるかどうかで、ガラッとモノの見え方が変わります。