お金の動きは通帳に残す

税理士にとっては常識でも、一般的にはそうでないことも多いようで…、「お金の動きは通帳を経由して行う」というのはとても大事なことです。

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利益を計算するためには通帳が必要

会社の目的はお金を儲けることです。

儲けているかどうかがわからないと経営上の判断もできないし、怖くてお金を使うこともできません。

ですから取引の証拠資料をあつめてきて利益を計算します。

取引の証拠資料は「請求書」「領収書」「預金通帳」などで、これらから会社がどのような取引を行っているのか確認します。
 
これらの証拠資料はいずれも重要ですが、特に重視したいのは「預金通帳」です。請求書からは売上や仕入しか把握できませんし、領収書では一部の経費の内容しか分かりません。

預金通帳は、きちんと記録さえしておけば 売上や仕入、経費だけでなくお金の回収や借入の返済なども含めて会社のお金の動きのほとんどすべてを補足することができるからです。

通帳に記録を残していないと疑われても仕方ない

預金通帳は、きちんと記録さえしていれば会社のお金の流れをほとんど全て把握することができます。

一方、預金通帳を経由せずに取引のすべてを現金で行っている(現金でモノを買って、売って、支払いをして、返済をしてというような)場合、預金通帳のように記録が残りません。

本当に取引があったのかどうか、取引があったとしても金額がどこまで正しいのか、といったことは闇の中です。

記録を残したくない取引(何か不正なことをする場合など)には、よく現金で取引されることが多いです。なので、現金取引ばかりで預金通帳に取引の記録を残していないような会社は何か不正をしていると思われても仕方ありません。

通帳に記録を残すことは、会社自身の身を守ることにもなるのです。 

記録の基本はあるがままを残す

通帳に記録を残す際のポイントは、取引のあるがままを残すことです。

だめな例として見かけるのは、

金額を丸めている(本来の取引金額は194,500円であるのに端数を丸めて195,000円とか194,000円とか200,000円とかで通帳に入金したり、通帳から引き出したり)、日付けが著しくズレている(本来の取引日は4/1なのに4/20とかに入金したり引き出したり)、幾つかの取引の金額をまとめている(120,000円と150,000円という2つの取引があったとして、それぞれを記録として残すべきなのに合計して270,000円としたり、更に数字を丸めて300,000円としたり)といろいろあります。

そもそも、通帳に記録を残すのは悪いことをしていないという証明と、 取引の実態を正確に残しておくことで正しい利益を計算するためです。

めんどくさがって、先程の例のように金額を丸めたり日付けを嘘ついたりすると、実態がわからなくなり正しい利益が計算できません。 利益が正しくないと、税金もおかしくなってしまうし融資なども受けにくくなります。その結果、罰金を払ったり金策に走り回ったりと更に面倒くさいことになります。

ですから、通帳に残す記録は「とりひきのあるがままを残す」→金額を変えたり、まとめたり、日付けを変えたりしないことが大事です。