働いていると自分の給料が適正なのかは常に考えてしまいますが、労働分配率から適当なのかそうでないのかは大体わかります。
労働分配率
労働分配率とは、会社が生み出した価値のうち人件費に割り振られる比率のことです。
算定の仕方は諸説ありますが、最も簡単なものは
労働分配率=人件費÷付加価値
付加価値の計算がムズかしいので、簡便的に付加価値を売上総利益と考えて求める事が多いです。売上総利益というのは、いわゆる粗利です。
売上高から売上原価を差し引いたものが売上総利益。人件費を売上総利益で割れば、労働分配率になります。
人件費の売上に対する比率から、人件費が高いのか低いのかを検討しても、業種によって売上高や利益率(原価率)が異なるので、あまり意味のある検討になりません。
そこで、会社が動いていくための燃料に例えられる売上総利益に対する人件費の比率から、人件費が高いのか低いのかを検討するわけです。
労働分配率の目安は
労働分配率の目安は、一般的には40〜60%程度だと言われています。
ただ、実際には業種によって労働分配率は異なりますので、自社の属する業種の労働分配率を知っておくと良いでしょう。
ここでは、詳しく述べませんが、ネットで検索すれば業種別の労働分配率なども調べることが可能です。
自分の上げている粗利は?
労働分配率は会社全体の数値として計算するので、自分ひとりの給料という面から考えると少し話が変わってきます。
そこで、自分が上げている粗利がどのくらいなのか計算してみる必要があります。
いくつか方法は考えられますが、自分の立てている売上から原価を差し引いて(原価がわからなければ会社の財務諸表から原価率を求めてみるのも良いでしょう)粗利が求められます。
粗利を従業員数で割れば、一人あたりの粗利になるので、一人あたりの粗利に労働分配率を乗じれば想定される給料になります。
給料に不満があるときは
自分が上げているであろう粗利ですが、実際には会社の看板や信用などがあって粗利が上がっているので、自分だけの力で上げているわけではありません。
自分の給料が労働分配率の目安の範囲内にある程度収まっていれば、それは妥当と考えられるのではないでしょうか。
逆に言えば、労働分配率が高ければ、会社に食わせてもらっている状況とも言えます。
また、自分が売上を立てていない管理部門などである場合も、考え方が難しくなります。
まぁ、もらっている給料が劇的に増えることはありませんから、そんなもんだろうと納得するために確認するというのが良いのかもしれません。