社長が思う利益と実際の利益がずれやすい会社5パターン

試算表や決算書を作成すると会社の利益がわかりますが、社長が思っている利益とずれていることはよくあります。社長が思っている利益と実際の利益がずれやすいのはどんなパターンでしょうか。

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①経理がずさんな会社

このパターンは当然といえば当然なのですが、経理がずさんなため…

例えば領収書などをしっかりと保管していないので、経費として処理できるのに出来ないでいるので利益が大きくなりすぎていたり

経理がずさんすぎて社長が内容を把握できていないなど

いわゆるドンブリ勘定ってやつですね。

気づいたときにはすでに手遅れで、税金が多くなりすぎたり、資金繰りでショートを起こしたりといった危険性が最も高いのがこのパターンです。

②棚卸資産(在庫)が大きい会社

家具屋、自動車販売、不動産販売などなど

在庫が大きい会社は、一定の時期ごとに適正に在庫を把握していないと

手元にあるお金から推定される利益と、実際の利益が大きくずれてしまいます。

税金や会計の世界では、お金を払ってもすぐに経費とはならない場合があります。在庫もその一例で、お金を払って仕入れても売れ残っている(在庫となっている)と経費とは認められません。

したがって、在庫が大きくなる商売の場合には、手元にあるお金と実際の利益が大きくずれやすいので在庫が利益にどのくらい影響するのか考慮した上で、一定の時期ごとに在庫を適切に把握しなければなりません。

③売掛金などの大きい会社

販売したり提供した商品やサービスの代金を即座に受け取らず一定期間経過後に受け取る商売です。

BtoBの商売はこのパターンが多いですね。

販売代金をすぐに回収できれば良いのですが、販売代金の回収が2ヶ月とか3ヶ月後あるいはもっと先だと、手元にあるお金と実際の利益はずれてしまいます。

ややこしい話ですが、税金や会計の世界では「物を売った時点」で売上をカウントするので、物を売って回収できていなくても(つまり手元にお金がなくても)売上になり、利益のもとになってしまうのです。

ですので、売掛金や受取手形などが大きく、販売時期と回収時期に乖離がある会社の場合、手許現金と利益のズレが大きくなります。

もちろん、資金繰りも難しくなる傾向にあります。

④減価償却設備の大きい会社

製造業など、減価償却資産(設備など)が大きい会社です。

税金や会計の世界では、お金を払っても一発で費用に出来ないものが多くあります。これを減価償却資産といいます。

製造用の機械を5,000万円で買ったとしても全額が支出したときの経費になるのでなく、その機械が使える期間に5,000万円を配分します(これを減価償却というわけです)。

支出したときと、経費になる時期が大きくズレますので、手元にあるお金(あるいはそれをもとに考えられる利益)と実際の利益はズレてしまいます。

減価償却資産がどのくらいあるのか常に把握することが必要です。

⑤借入金の大きい会社

借入金の大きい会社は、手元にあるお金と利益がズレてしまいます。

借入金(銀行などからお金を借りたもの)は、当然返済しなければなりません。借入金の返済は経費にならないのですが、お金は出ていきます。

(お金を借りたときに収入になっていないので、お金を返しても経費にはなりません。つまり、お金を借りたり返したりしても利益には関係ないのです)

お金を借りても返しても、利益に関係はないのですが、お金は大きく動きます。そして、借入金の返済は利益があがっていないとできません。利益がないということは会社に返済できるお金がないということなので。

結果、利益は上がっているのの返済によってお金が余り残らないということはよくあります。

とくに初心者の場合、借入金と利益の関係が見えづらいので、しっかりと理解しておかないまま借りてしまうと返済や税金に苦しんでしまいます。

 

いずれかに該当する場合には、手元にあるお金と実際の利益が大きくズレてしまいがちです。利益がずれると税金や資金繰りに大きな影響を及ぼし、胃の痛い日々を過ごさなければなりません。

そうならないために、該当する場合には、しっかりとした理解のもと利益を適切に把握できるようにしましょう。