「時間がなくなる負のスパイラル」はよく言われるが、人に任せるだと今の時代には合わない?

起業した人について、よくあることとして最初は時間があるけれどお金がない。だんだんと商売が順調になっていくとお金はあるけれど時間がなくなる。で、時間を生み出すために人に任せる…というような流れになるのですが、現代においてもそうなのか疑問です。

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経営者のお金と時間

起業したてのときは、たいていはそこまで仕事量がたくさんあるわけではないので、時間はあるけれどお金はないという状態のことが多いです。

なかには、最初からロケットスタートと思われるような猛烈な売上をあげるひともいますが、たいていは売上はそこそこでしょう。

次第に、売上が伸びてきて、売上が伸びると仕事を処理しなければならないので、時間がなくなってくる。

時間がなくなってきたときに、よく言われるのが、人を雇って時間を生み出すという方法論です。

そして、人を雇うとまたお金が減るので仕事を増やさねばならず、お金が減る→仕事を増やす→時間が減る→…というようなサイクルを延々と繰り返していきます。

一昔まえは成り立つかもだけれど

起業をしてすべての仕事を自分で抱えてしまうと、時間に限界が来て、精神的にも物理的にもいっぱいいっぱいの状態になってしまう。だから、人を雇って時間を生み出す(人の時間をうまく使う)というのがよく言われる時間の作り方でした。

しかしながら、現代においては、無茶苦茶な拡大路線を取らなければ、一人でも仕事をさばくことが可能と思われれます。

IT技術の進歩もありますし、クラウド上でのサービスも充実しています。さらに今後はAIも普及していけば、極めて単純だけれども時間がかかるというような労働は減っていくでしょう。

むしろ、これからの時代は人手が不足していく時代だし、人を雇うとかんたんには首を切れないし、人に関わるコストが極めて大きくなっています。(社会保険料もそうだし、最低賃金も昔に比べると破格の上昇をしています)

となると、人を雇って拡大して、そのレバレッジを効かせて時間を生み出す…みたいなモデルは難しい。

規模を追わず利益を追う

人にまつわるコスト増、人を雇っても定着しない。

昔のように、優秀な人材を使い潰すようなことはできないでしょう。

ひとを雇って、レバレッジを効かせるというのはこれからは難しいのであれば、規模は追えませんから、仕事量を増やすことで利益を稼ぐのでなく、利益率を上昇させて、仕事量を大きく増やさずに利益を確保する方向が、時代にあっているのかなと。

少なくとも、これから起業される方は人をガンガン雇って…というようなビジネスモデルを考えるくらいだったら(人の集め方に苦労をするくらいだったら)、ITやAIなど人以外の方法で付加価値を高める方法を模索するほうが有効でしょう。

その証左として、多くの起業では社会保険料に苦しんでいますし、従業員の定着に悩んだり、後継者問題、技術の伝承の問題など、人に関する問題が山積しています。

弊社でも、人をなるべく雇わないで効率的に経理事務などを進めていくコンサルティングは、よく相談されるので、そういった時代に変わってきているのでしょうね。