他人・他社と比較するのはムダ

他人と比較したがる人がいますが、他人と比較したところでムダです。
これは会計でもなんでも同じだと思います。

会計書類の見方の基本は比較

会社の取引を集約した書類を会計書類(決算書とか財務諸表とか、試算表とか)といいますが、この書類の見方の基本は比較することです。

比較というと他社と他社を比べることと、当社の今と過去或いは未来を比べることがあります。
ここでは、後者が比較の基本となります。

特に中小企業においてなのですが、それぞれの会社の特殊性が強すぎて、他社と比較をしても「前提条件」が違いすぎて比較にならないです。極めて似たような会社もあるでしょうが、現実的には探し出すのが困難でしょう。

前提が違う

同業他社と比較をしようとして、一口に同業他社といっても中小企業では業歴、社長の年齢、社員数などの規模、自社の強み、財務基盤…とさまざまなことが違いすぎて、比較してもあまり意味がありません。

前提が違うのだから、結論だけを比較して気にしても意味がないです。本当に薄〜く参考程度でしょう。

当社で比較する

したがって、特に個体差の激しい中小企業の会計書類の見方はとしては、当社の「過去」と「今」と「未来」を、比較するべきでしょう。同じ会社なのだから、前提は同じなので比較する意味があります。

前年よりも今年の方が利益が増えていた、その理由は…といった具合に。

そして、未来というのはいわば予算(計画)です。誰でもそうですが計画なく物事を進めると、達成感がないのでやる気がなくなるばかりか、そもそもいいのか悪いのかがわかりません。

自社の過去と今と未来を比較しながら、より良くしていくしかないのです。

他人との比較もムダ

中小企業の会計書類だけでなく、翻って個人レベルでも同じだと思うのですが。
兎角、他人と比較して一喜一憂する人がいますが、「前提」が違うのだから比較しても仕方がない。

いい影響は刺激として受けて見習えばいいのでしょうが、他人の年収と比較してとか、実家が金持ちかそうでないとか、何の意味もないですよね。

会計というものは、先人の知恵の結晶で、記録と慣習と判断の総合的表現と言われますが、なるほど会計の先人は他人と比較しても意味がないということを示唆してくれてたのかもしれません。