税理士業務のコツ〜スケジューリングを上手くやる

仕事上手は段取上手と言いますが、スケジュールリング・段取り次第で仕事はラクにもなるしシンドくもなります。

年・月・日の単位で

多くの仕事は年・月・日の単位で仕事の段取があります。
税理士・会計事務所を例にざっくり考えると、1月法定調書等、2月〜3月申告所得税等の確定申告、4〜6月やや落ち着く(5月は3月法人の決算が集中)、7月納期の特例等、8〜10月やや落ち着く、11〜12月年末調整等。これに各クライアントの決算や臨時業務が入ってきます。

月単位でいえば、月末の申告期限に向けて逆算して予定を立てるイメージですが、月初〜月中に訪問の日程をたて打合せ、税務処理。月末に向けて決算をまとめていって月末で申告。その隙間に決算のない他のクライアントを回ったり、臨時業務をこなす。

1日でいえば、(人によって違いますが)午前にアタマを使う事務作業をして、昼からクライアント訪問。夕方、また事務作業や翌日の段取りなど。
どんな感じでスケジュールがまわっているかを把握しておけば、先回りして段取できます。

前年のカレンダーを残しておく

同じ仕事の2年目以降の場合、前年のカレンダーを残しておくのはスケジューリングに有効です。

税理士業のように一年単位で、いつの時期にこの仕事をするというのが決まっていると、前年のカレンダーを参考に組み立てができるからです。

「いつ何をするか」「仕事量はどのくらいか」はある程度、前年を踏襲します。そのうえで、新しい業務や前年の改良点を盛り込めば、仕事量の見積をミスして失敗というのは格段に減ります。

作業工程書を作る

税理士業でいえば決算ですが、複数の工程が積み重なって全体を構成している仕事は作業工程書を作ります。

事前に何をするのか、何を依頼すればいいのか、いつぐらいが目安か、難しい・検討を要するポイントは?

細かくタスクを分けて、ある程度の時系列に振っていけば、作業の全体像が見えてきます。それをもとに進捗が順調なのか、遅れているのかもわかるので、ミスもストレスも減ります。

作業工程書も、来年以降に同じ業務をするのであれば、保存しておくと使いまわせるし、改良すれば、さらに精度が上がります。

作業を細切れにするメリット

また、作業工程書を作ることには別のメリットもあります。

一つは作業を細切れにできることです。まとまった時間を確保するのは難しいことが多いですが、細切れにすれば、隙間に埋めていくことが可能です。

2つ目は、細切れにしたとしても、作業工程書があれば、進捗を管理しやすい。
作業工程書を作らず、テキトーに進めていると「どこまでやったっけ?」となり、思い出したりするのに時間がかかったり、重複して作業したり。
これがないだけでも、格段に効率や精度が上がります。

最後に3つ目は、作業工程書をつくる中でチェックリスト的な役割も果たすことです。人間が作業をすると、必ず大なり小なりのミスが出ます。
作業工程書に注意すべき点や検討事項、ミスした(ヒヤリハット含む)を入れておけば、同じミスはしません。

アタマを使う仕事はなるべく朝にする

仕事の性質に応じて、1日のいつにするのかを分けると効率的です。

頭の比較的冴えている(言い換えれば疲れの溜まっていない)午前中に、アタマを使う仕事をする。
逆に、アタマが疲れていてもできる・でもしなければならない作業的な仕事は、お昼ご飯を食べて少し眠いときや、夕方にする。

どんな仕事を、いつするのかは、人によってバイオリズムや得手不得手がありますから、人によって違うでしょうが、バイオリズムの良い時にアタマを使う仕事をすべきでしょう。