「雨が降ったときに傘がない」のは税理士も同じ

銀行は晴れてるときに傘を貸したがり、雨が降ったら取り上げる、なんて皮肉を聞きますが、それは税理士とて同じことです。

銀行の場合

中小企業は銀行の融資なしで成り立つところは少なく、うまく銀行(日本政策金融公庫や保証協会を含む)とお付き合いしていかなければなりません。

冒頭の皮肉は、半分は真実で、実態としては「雨が降ってもすぐに傘は借りれない」といったところでしょう。

つまり中小企業が、お金がないので[借りたい」と思ったときには手遅れで、すぐには借りれない。その少しまえ、雲行きのちょっと怪しくなってきたときに借りておく必要があるわけです。

すぐには難しい

融資を受けるとしても、申し込んですぐにお金が振り込まれるわけではありません。
手続きのためには、必要書類を提出しなければなりませんし、審査を通過しなければなりません。

当然、時間がかかるし、それを見越して、事前に準備しておかないといけません。
傘に例えれば、まさに雨が降る前に傘を準備しておく。そうでないとずぶ濡れです。

税理士も同じこと

傘の例えは、税理士も同じことです。

融資を受けようとすると、税務申告書などが必要になりますが、多くの個人事業主や法人は、税務申告書の作成を税理士に依頼しています。

ただ、まれに税理士に依頼せず、(自分でするならまたいいのですが)申告すらしていない人がいます。

融資のためや税務調査があって、慌てて税理士に依頼をしようとしても、なかなか受けてくれる税理士が見つかりません。

税理士からすれば、今お付き合いのあるクライアントの業務もこなさなければならないし、準備期間なしにしっかりした税務申告書を作ったり調査対応するのは難しい。

雨が降ってから傘を探しても、もう遅いということです。濡れるしかありません。

事前の準備が重要

融資であれ、税理士であれ、それ以外にもありますが、経営上の多くの課題は事前に準備していればそこまで大したことはなく、ことが起こってから対処しようとすると、うまくいかないことがほとんどです。

当たり前の話で、他者(他社)に依頼をするのに、自分の都合だけで動くのか、相手の都合や時間の制約などを考慮して動くのかで、相手の心証も変わるし、仕事のやりやすさも変わる、それらが変われば、自分に跳ね返ってきて、メリットを享受できる。

雨が降ってから傘を探した挙句、ずぶ濡れになったとしても、それは傘を準備しなかった報いなわけで、晴れてるときにも傘はあったのです。

雨ぐらいなら「濡れた」で済まないこともないですが、嵐だったらどうしようもないですから、晴れてるうちに傘を探しておくべきでしょう。