税理士事務所の仕事はキツいのか?

税理士(会計事務所)の仕事はそこまでキツイとは思わないのですが、客観的に見るとキツイ面もあるかもしれません。

予備知識がなければキツイ

税理士事務所の仕事、とりわけ税理士補助と呼ばれる仕事は「予備知識」が無いとキツいです。

税理士補助は、税理士の指揮監督のもと、クライアントの経理データのチェックから税金の申告書作成までの一連を行います。

税理士事務所は、大抵が小規模企業ですから、新人に手取り足取り教える余裕はありません。(小規模のほうが儲かるという事情もあります)
また、教えるとなっても、新人に教えることを何度も試行錯誤しているわけでは無いので、教え方が良くないという何とも情けない事情もあります。

ですから、事務所のルールみたいなことは教えてもらわないといけないとしても、基本的な決算作業はどうするのかといったことは知っておいた方が、気持ち的にラクです。

自分で考える能力が無ければキツイ

税理士事務所は忙しいです。

長時間労働という意味でなく、脳のクロック数を多く要するという意味で、です。

税理士事務所の仕事のほとんど全ては、「期限」があるものばかりですから、期限から逆算して仕事を段取しないといけません。段取をするには、それぞれの業務をどのようにこなせば効率的か分かっていないといけません。

それぞれの業務は、一見おなじようでもクライアントごとに違ったりしますから、クライアントごとに段取を立てる必要があります。

さらに経験が浅いときには、自分の能力や経験のなかで弱点を理解し、それをどう補うか備えておく必要があります。

勉強は自分の都合でできますが、仕事は相手の都合でしなければなりません。都合よく、自分のやりたい仕事やできる仕事だけが振られるわけではありません。(独立開業すれば、能力次第でコントロールは効きますが)

つまり、仕事を俯瞰的に見れたうえで、段取を立ててこなしていくことを考える。自分の能力や時間をどのように分配するか?これを考えられないと、ただ時間は無駄に過ぎていくだけです。

待遇だけを考えればキツイ

税理士事務所の待遇は、千差万別ですが、あまり良くはありません。
給料は250万〜500万程度、残業は0のところもあれば、月20時間〜。もう少し給料が増えると残業なども増えます。

週休2日ではあるけれど、繁忙期には土曜出勤のところもあり。

小規模な事務所では社会保険も完備されていないことも。
そんなに良いわけではありません。当然といえば当然で、税理士としては独立開業すればもっと上を目指せるけれど、「税理士ではない」わけですから。お客さんは「税理士」に見てもらうために報酬を払っているのです。

ただ、税理士になるまでの修行の場と割り切れば、そんなに悪くないともいえます。
あとはどれだけ、仕事から学べるか。そして
勉強時間を確保できるかでしょう。

給料を基準に考えるとキツいですから、独立までの学びの場、奉公の場として、自分自身で掬い取ることが出来なければキツいでしょう。

社会性のない所長だとキツイ

税理士事務所も、小規模企業です。

小規模な企業は、社長(税理士事務所では所長)の人柄で風通しの良さが随分と変わります。
小規模な企業では、社長が社会人として未熟な人格しか持ち合わせていないと、従業員は息が詰まってしまいます。

これが行きすぎるとパワハラとかなんですが、そこまでいかなくても、社会人としては許容できない幼稚な人格の人間はいます。

「名選手が名監督とは限らない」とは良くプロ野球などでいわれますが、小規模な企業もそうです。

プレーヤーとしては優秀でも、マネージャーとしてはそうでないことも。求められる能力が違うのですから、当然ですが。

ですから、人格に問題のある人間が所長である事務所はキツいし、サッサと辞めるべきです。(これは税理士(会計事務所)に限った話でなく、小規模な企業ではどこでも当てはまる話でしょう)

キツくない仕事などない

今まで税理士事務所はキツいという面を書いてきましたが、あくまでも一例で、当てはまらない事務所もありますし、

私がキツいと思うだけで、そう思わない人もいます。

人によってキツさの沸点(限界)みたいなものは違いますから。

ただ、個人的には税理士事務所はキツくても、税理士はそこまでキツいとは思いません。
おそらくは「他人の」事務所だからキツい。自分の事務所を作れば、ある程度はコントロールできます。

他人の書いた文章で説明すると難しいけれど、自分の書いた文章だと説明しやすい、みたいな。
もちろん、相当の勉強してる前提ですけど。

意外と楽しい

税理士事務所の仕事は、慣れない最初のウチはキツいかもしれません。
慣れるくらい長いこといる必要もないですけど。

ただ、税理士はキツいけど楽しいです。
楽しいというと語弊があるならば、やりがいはあります。

会社の数字を読み取りながら、より良い提案をして、会社が良くなれば喜んでもらえますし。
色んな話を聞けるのも興味深い。(必ずしも愉快な話ばかりではありません)

さらに能力を高めれば、様々な業務にチャレンジもできます。

結局、やらされてる限りはキツくて、自分で積極的に取り組んでいけば面白さは限りなく拓けている、ということでしょうか。