おそらく総勘定元帳を定期的に見直してという経営者はほとんどいませんが、意外と使ってみると情報が詰まっています。
総勘定元帳とは
別記事でも書きましたが、総勘定元帳は一定期間の取引データを分解し、勘定科目ごとに集計し直したものです。

たとえば、「旅費交通費」という科目があれば、電車代・タクシー代・高速代・飛行機代…それに該当する取引だけが集計されています。
いわば、日々の取引を「同じ取引ごと」に横串を突き刺して取り出したようなものです。
傾向を見やすい
勘定科目ごとにまとめた、つまり「同じ(性質の)取引ごと」にまとめたものですから、データの「傾向」が読みやすくなっています。
簿記の知識がある人間で有れば、その傾向がキッチリと掴めるでしょう。
例えば、交際費だけをひたすら見ていれば、「〇〇という店によく支出してるなあー」とかそういったことが見えます。
簿記の知識のある人は
簿記の知識がある人は、勘定科目の連携がわかっているはずです。
勘定科目がどのように連携しているのかがわかっていれば、総勘定元帳から取引をイメージすることが用意になります。
総勘定元帳を読める人は、意外と少ないですから、読めるようになれば会社の経理の実態がつかみやすくなります。それが仮説や分析というところまで、手を広げることができる第一歩でしょう。
特によく見ておくべき科目
特によく見ておくべき勘定科目は、会社によって異なりますが、最大公約数的には「現金」「預金」。これらはお金の流れが明確に見えますから、会社のお金の流れをイメージするにはもってこいです。
その際に、お金は一定の間隔(スパン)で同じような動きを繰り返しているはずです。入金や出金はある程度決まったパターンがあるからです。そのパターンを掴むのがお金の流れを掴むことになります。
そして、お金の流れが見えてくるとイレギュラーな入出金も見えてくるというわけです。それだけでも、会社の経理の根っこをつかめます。
あとは、決算書から見て金額に「違和感」を感じる勘定科目があったらチェックするというのも有効です。
決算書に出ている数字は、集計された数字ですが、総勘定元帳でその詳細を確認することで、実態が見えてきます。あとは様々な仮説や検証を組み合わせていけるか。
決算書からだけでは補足できない、より踏み込んだ分析をするならば、総勘定元帳を見るというのは避けて通れませんから、もし今まで見たことがないというので有れば、まずは試しにサラッと見てみると良いでしょう。