原価の管理はどこまですべきか?

熱心な人は気になる…、中小企業において、原価などの数値はどこまで細かく管理すべきなのでしょうか?

原価は管理しなければいけないけれど

中小企業向けのセミナーなどで、「原価をしっかりと管理して守りを固めましょう」という趣旨のものを見かけます。(原価の範囲をどのように考えるのかによって原価のイメージも異なりますが、ここでは会計的な売上原価というよりも、一般的な利益を得るために掛かったお金というぐらいの意味で使っています)

原価がきちんと管理されれば、原価に関わる様々なロスも減り、利益アップにつながります。(販売した金額と原価の差額が利益のイメージ)
原価をキチンと管理しなければならないのは、言われなくても誰でもわかる話で、問題はどこまでの精度で行うかなど、個別具体性を持った実行方法ですがこれが千差万別です。

決算のタイミングでわかるが

どの企業も決算をして、税金を納めますから、決算のタイミングで直近1年の原価は分かります。
ただ、これは過ぎ去った1年で、原価などを管理するのであればもっと最新の直前1ヶ月とかを常に把握していたいものです。(過去のことがわかるより、「今」からどうなのか?のほうがじゅうようですので)
とすると、決算と同じような作業を「毎月するのか?」となり、現実問題としては難しい面も多いでしょう。

中小企業の課題として

中小企業では、経理担当者が専任でないところも多く、他の仕事も抱えている場合には、毎月決算と同じような作業をするのは物理的に難しいでしょう。
決算においては、全体としての原価を求めれば事足りるので、アイテムごとだとかのは細かな原価を求めません。しかし、全体の原価となると、大雑把すぎて社長が判断を下すのにあまり役に立たない。

現実的対応をするべき

経営資源に制約の多い中小企業においては、経営上のすべての数字をオンタイムで管理するというのは困難です。(出来ないことはありませんが、費用対効果の点で効率が悪い)
したがって、現実的な対応をするほかありません。
管理をする数値はいくつかに絞っておき、
それはある程度のスパンごとにチェックするといった対応が現実的でしょう。

0か100で考えると、実現のハードルが上がるし、極端なことにしかなりませんから、0でも100でもない、会社にとってほどほどというところで、数値管理はやるべきでしょう。
こんなことをいうとセミナーでは受けませんけど。