税理士事務所における「食い逃げ」

物騒なタイトルで恐縮ですが(笑)…

飲食店においては提供された食事に料金を支払わないと無銭飲食、つまり食い逃げになります。食事という目に見えるものだと、分かりやすいのでしょうが、それが目に見えないものだと、難しい側面があります。

タダで教えて!

税理士業に限らず他の専門職や、教師など知識を提供する仕事にはあることが「〇〇について教えてほしい」と言われること。

無論、ガッツリと教えることになると相手もしっかりと報酬を意識した「依頼」ということになるのですが、軽く雑談めかした話だったりすると、その線引きが曖昧です。

軽い雑談なので報酬はいらないだろうと考えるのかもしれませんが、軽い雑談程度でもさまざまなことを考えないといけないし…
おそらく、専門家が「こう判断した」というお墨付きみたいなものが欲しいのでしょうが、それは既に「有料の商品」です。

無料相談

先程のように雑談めかして知識や判断を引き出そうとされれば、サラッと断ればいい話なのですが、面倒なのが無料相談です。(曖昧に答えたり、あとから請求すると角が立ちますので…)

無料相談を提供する側からすると、相談から受注に繋げるために行っていますから、ある程度力を入れて相談に乗ります。

しかしながら、無料相談を「無料」で使おうという気満々の人に対しては、なかなか折り合いがつきません。専門職で、無料相談の体験談を語らせたら面白い話がわんさか出てくるでしょう。

個人的には、「無料」のものにはどこかでマネタイズする仕組みがあるか、無いと誰かが無理をしていると思っているので、そういった類は利用しないし、基本的には提供しません。

無料相談は試食

専門家、専門職の提供する無料相談はいわば「試食」なわけですので、それで全てが解決するものであってはなりません。

デパートの試食コーナーでお腹いっぱい食べられないのと同じことでしょう。

試食コーナーでは目に見える「食べ物・食材」があり、これを食べると目に見えて減るのがわかるため、無料で提供していることがわかりやすいのです。

しかし、専門職・専門家の提供するのは目に見えない「知識や判断」などですから、ガンガンつままれてしまうのですが、専門家・専門職の知識や判断はそこに至るまでに多くのお金や時間などを費やしていますから、それで問題が全て解決するというのはなかなか難しいわけです。

身もふたもないですが、食い逃げして食中毒になっても責任取れませんよ…ってことで(苦笑)