資金繰り 黒字倒産はなぜ起きるのか?

 「勘定合って銭足らず」「黒字倒産」とよくいわれますが、どういったことなのでしょうか?利益が出ているのに、倒産するって実感が湧かないと思います。

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黒字であっても倒産する

 黒字倒産とは、決算が黒字だったにもかかわらず資金ショートしてしまって倒産をすることです。黒字であっても、支払先や銀行等に対して支払ができなるなる状態(資金ショート)を起こすと倒産します。赤字であっても、資金が調達できて支払ができれば会社は潰れません。

 

損益と収支は一致しない

 損益とは会社の儲け・損失のことで、「収益−費用=損益」となります。会社の事業活動の成果(収益)から、その成果を得るために犠牲になったもの(費用)を差引いて求めます。

 

 この損益と、お金の出入り(収支)は一致しません。

 

信用取引

 損益と収支が一致しない理由として、信用取引制度(掛取引)が挙げられます。上の図を御覧下さい。掛販売(200)をして、代金は翌月末に入金されるとします。真ん中に決算を挟んでいます。

 

 販売をした期を当期として、掛販売以外は無かったと考えると、売上200、費用0となりますので、利益は200です。ところが、決算段階では、まだ入金がされていませんから、利益は200あるけれど、収支は0となります。

 

 このように信用取引が発達したことにより、損益と収支が一致しなくなったのです。在庫の拡大や、固定資産の増大等も損益と収支を一致しなくさせる原因の一つです。

 

資金繰り表

 実際の経営では、上で述べたようなお話が複雑に入り組んでいますので、損益と収支はますます、かけ離れたものになります。「試算表上は利益が出ているのに、あまり手もとにお金がないなぁ」といったことが起こりえるわけです。

 

 そこで、資金繰り表を作成して、お金の出入り(収支)を管理・予測する必要があります。だいたい、半年から1年後くらいまでのお金の出入り(収支)を管理・予測しておけば、「手もとにお金が無いので、支払ができない」といったことは防げますよね。

 

 黒字倒産を避けるには、「損益だけでなく、収支についても注意を払わなければならない」といったお話でした。