書評 社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ!

 久々の書評です。『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ!』の紹介です。

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 久々の書評は、会計本です。『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ!』と物々しいタイトルですが、内容は至って本格的な会計本となっております。

 

 本作によれば、「社長が経理を知らない」と会社が潰れる、自滅している会社が多い。経理とは、経営管理の略語であり、営業等の「攻め」と経営管理の「守り」を事業の両輪としなければならないが、自滅する会社は「守り」が出来ていないと。

 

 さらに、経理業務は「記録・分析・助言」と3つのステップで構成されるべきものであるにも関わらず、多くの会社では「記録」だけにとどまり、経理を有効活用できていない。「記録」にとどまらず、「分析・助言」をして会社をより良くしていくのが経理だと述べています。

 

 経理は「お金・会計・税金」の3つのシステムからなるが、多くの会社では社長=お金、会計=経理担当者、税金=税理士と3つのシステムが孤立しがちである。3つのシステムをうまく連携させることが、経理を活用する上で重要であり、そのためには自社の経営を知り尽くしている社長が経理のことを最低限は知っておくべきだとのことです。

 

 そこで、本書では社長が「お金・会計・税金」について知っておくべきことをそれぞれのシステムごとに紹介しています。会計本で紹介されるようなメジャーな内容は、ほぼ網羅されており、著者独自の視点も盛り込まれているので内容はたっぷりとあります。

 

 加えて、「お金の流れがざっくり分かるシート」というタイトルがそのまんまな(笑)シートが添付されており、上記の3つのシステム「お金・会計・税金」の大きな流れと連携が把握できるようになってます。

 

 内容はたっぷりとあるのですが、比較的平易な文章で綴られ、トピックが簡潔にまとめられていますので、ぎっしりした内容の割にさくさくと読みこなせます。経理には興味があったんだけど、今まで手が出なかったという社長や、「お金・会計・税金」について一通り端的に確認したいという経理担当者・会計事務所の職員などにちょうど良い本ではないでしょうか。(再読にも耐えうる密度になっています)