会社設立 創業時の融資

 会社設立をすると、多くの設立者の方は融資の相談もされます。創業時の融資が受けられるか否かが、事業が早く軌道に乗るかそうでないかを分けると言っても過言ではありません。創業時の融資を確認します。

日本政策金融公庫

 ほとんどの融資を受ける創業者の方は、日本政策金融公庫からの融資を受けます。いくつかの融資制度がありますが、最もメジャーなのが「新創業融資制度」です。この制度の最大の特徴は、無担保・無保証人であることです。

 

 利用出来る人は、①創業するor創業してから2期以内、②雇用創出、経済活性化、勤務経験または技能取得の要件を満たしている(一番簡単なのは、創業しようとする事業について職務経験が一定の年数以上あるなどです)③自己資金が1/3以上ある の3つの要件を満たした人です。

 

 ①と②はあまり問題が無いようですが、③の自己資金要件をしっかり満たしておくことが重要です。昔はいわゆる「見せ金」といったものでも融資が受けられたようですが、最近は非常に厳しくなって、創業者がしっかりと準備したお金(例えば、勤務期間にせっせと貯蓄をして作ったお金だとか)でないと融資は通りにくいようです。

 

 上記の「新創業融資制度」以外にも、新たに事業を始めるor事業開始後おおむね5年以内の方を対象とした「新規開業資金」や女性又は30歳未満か55歳以上の方を対象とする「女性、若者/シニア起業家支援資金」、廃業歴等のある方を対象とした「再チャレンジ支援融資」などがあります。

 

自治体の制度融資(信用保証協会)

 信用保証協会は、中小企業が銀行等から融資を受ける際に保証人になってくれる機関です。(信用保証協会から保証人を求められることはあります)融資の返済が滞った場合には、信用保証協会が立替えてくれますので、銀行としてはノーリスクで融資ができるわけです。従って、信用保証協会の保証がつけば融資は断然受けやすくなります。

 

 ただし、融資についてのコストとして、金利の他に信用保証料(信用保証の代金)が必要となります。また、保証枠といって信用保証を受けられる限度額がありますので、保証枠の範囲内でしか借入はできません。

 

 また、自治体も絡んできますので融資を受けるまでに時間がかかるといったデメリットもあります。

 

民間金融機関からのプロパー融資

 創業者の場合は、信用力がほとんど無いため、民間の金融機関から創業時に融資を受けることは困難です。まずは、上記の日本政策金融公庫、自治体の制度融資からの資金調達を検討すべきでしょう。(まれに、地元の地方銀行や信用組合で独自の創業融資を行っているところもあるようですので全くないわけではありません。)

 

ノンバンクからの融資

 ノンバンク自体の業績も、悪化傾向にあり、あまり積極的に創業融資には取り組んでいないようです。ノンバンクからの融資は、利率が高いため、資金調達面では著しく不利ですのでオススメしません。

 

まとめ

 創業者が融資を受ける場合には、日本政策金融公庫か自治体の制度融資が一般的です。とくに日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は無担保・無保証人ですのでとってもありがたい制度です。自己資金の要件と、事業計画書の作成等がネックとなりますが要件をクリアできるのであれば是非とも利用したいところです。(事業計画書の作成等の書類作成は税理士等の専門家にご相談下さい)