不良在庫が多い会社で使える節税の手法です。在庫を見直して、評価損を計上し、法人税を節税します。
在庫が多いとそれだけお金がかかります
在庫を多く抱えていると、お金が寝ている状態にあります。寝ているだけではなく、在庫を管理するコストもかかりますので、なるべく在庫は抱えたくないですよね。
(参考) 資金繰り 在庫が多すぎると問題なワケ
また、在庫の金額が減れば、減った分だけ売上原価という費用が増えます。費用が増えれば、利益が減りますから、利益に対して課税される法人税が節税できます。
在庫を減らして法人税を減らす
そこで、在庫の金額を減らす事を考えます。過剰に在庫を持っているならば、在庫一掃セールをするのもいいでしょう。しかしながら、全ての商品が(安くしても)売れるわけではありません。そのような場合には、廃棄するか評価損を計上する事になります。
ちなみに、廃棄する場合には、税務調査の際に「本当に廃棄したのか?」といったことを尋ねられますので、証拠資料として処分した際の写真や業者の証明書等を残しておいてください。
評価損を計上する
評価損とは、売却したり廃棄したりしていないけれど、評価を切り下げる事です。一定の場合を除き、法人税では評価損は認めれていません。
評価損の計上の要件は難しいのですが、判断基準としては次のようなものがあります。
(1) いわゆる季節商品で売れ残ったものについて、今後通常の価額では販売することができないことが既往の実績その他の事情に照らして明らかであること。
(2) 当該商品と用途の面ではおおむね同様のものであるが、型式、性能、品質等が著しく異なる新製品が発売されたことにより、当該商品につき今後通常の方法により販売することができないようになったこと。
また、単に物価変動、過剰生産、建値の変更等といった事情では評価損の計上は認められません。
季節商品の売れ残りや、型落ちした商品で、今後通常の方法では販売できないものであれば、評価損の計上が有効です。そのような在庫が、滞留していれば節税策として検討してみましょう。