給与計算 給与明細の見方

 給与計算の仕方を覚えると、給与明細の見方も変わってきます。どういった仕組みになっているのかまとめてみました。

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基本給

 基本となる給与です。これをベースに賞与の額が決まります(賞与=基本給×◯月分)から、基本給が大きい方が従業員にとっては有利です。そのため、多くの会社では、基本給を小さくして手当で補填をしています。(各種手当は、賞与のベースにはなりません。)

 

各種手当

 会社の給与規定などにより各種の手当が定められています。一定の役職についている場合の役職手当や、資格を保有している場合の資格手当、家賃で生活をしている場合などに支給をされる住宅手当、一定の年齢の家族(子供、高齢の親、配偶者)等がいれば受け取れる家族手当などが一般的です。

 

 住宅手当は、従業員にとってはありがたい制度なのですが、経費削減が叫ばれる現状では、縮小されていく傾向にあるようです。

 

 給与計算期間内に、遅刻や欠勤が無ければ(一定の範囲以内であれば)支給を受けられる皆勤手当のようなものもあります。

 

残業手当

 残業手当については、残業単価×残業時間で算出します。通常の残業の場合は、時間単価×125%です。時間単価は基本給などを給与規定で定められた出勤日数と一日あたりの労働時間で割って求めます。

 

通勤手当

 通勤手当は、通勤交通費を会社が補助してくれるものです。電車やバスで通勤している場合には、1ヶ月あたり10万円までが所得税の計算上は非課税となります。マイカーや自転車などで通勤している場合は、距離に応じて一定の金額が所得税の計算上非課税となります。

 

健康保険

 従業員やその家族が病気やけがをしたときに、健康保険を取り扱っている病院では、治療費の支払いが請求額の3割になります。残りの7割部分はこの保険が給付してくれています。労使折半のため、保険料の半分は会社が負担しています。

 

厚生年金保険

 従業員が年を取って働けなくなったとき、病気やけがで障害の状態になったときなどに、従業員やその家族の生活を支えるために支払われる保険です。労使折半のため、保険料の半分は会社が負担しています。

 

雇用保険

 労働者が失業した場合に、失業保険の給付や再就職の支援を図るための保険です。

 

所得税・住民税

 所得税は、「給与所得の源泉徴収税額表」に基づき一定金額が概算で徴収され、最終的には年末調整で精算されます。

 住民税は、前年の所得に応じて市町村が決定します。多くの人は、特別徴収といって会社が住民税を天引きして代わりに納付する制度を採用しているため、住民税は給与から天引きされています。前年の所得に基づき、6月から翌年5月まで徴収します。(ちなみに、住民税は賞与からは徴収されません)

 

余談

 福利厚生が充実している会社ほど、各種手当も充実しているようです。経営の厳しい中小企業や、オーナーがケチな会社では手当も…

 

 知人の話では、行きたくもない社内行事の社員旅行(強制参加)のため旅行積立金を給与から天引きされていたそうです。(労使協定は無かったと記憶しています。)会社が全額負担してくれるわけでもなく、ほとんど仕事の旅行なのにカネまでとられるなんて可哀想です。

 

 別の話では、有給を取得すると皆勤手当が減る会社もありました。有給は休んでも出勤扱いのはずなのだから皆勤手当が減るのは納得いかないですよね。その会社では、「有給の意味がない」と心の中で社員全員が突っ込んでいたそうです。