土地や美術品は価値が減りません。ですので、減価償却は基本的に不要です。
減価償却とは
長期間にわたって事業で使用するモノは、取得時(買ったりして手に入れたとき)に一括して費用にはできません。
5年間使えるのであれば、5年にわたって事業に貢献するので、その期間に分散して費用にするわけです。
つまり500万円の車が5年間使えるのであれば、購入した期に全額を費用とするのでなく、100万円ずつ5年間にわたって価値を減らしていく。価値が減った部分が、費用になって減価償却費といい、この手続を「減価償却」といいます。
土地や美術品は価値が減らない
減価償却は、長期間事業に貢献するの「モノの価値」が徐々に減っていくことに着目した手続です。
価値が減っていくのは、目に見えてボロくなっていくということもあるでしょうし、性能などが衰えていくということでもあります。
車であれば、使っていければ目に見えてボロくなりますし、高価なパソコンなども性能は落ちていく一方です。
ところが、土地は価値が減らないです。土地がどんどん減っていくとしたら、今頃地球はない…とはよく会計を勉強する人たちの笑い話ですが、土地は目に見えて減らないし、性能が落ちたりすることもありません。
また、美術品(骨董と呼ばれるような)も、長く価値を保ち続けるモノです。絵画が、それこそ2,3年で目に見えてボロくなるわけでもないですし、性能がガタ落ちってこともありません。一般的には価値が減らないのです。
価値が減らないから、減価償却しない(できない)というわけです。
事業に係る美術品は注意が必要
事業に係る美術品は、基本的に価値が減らないので減価償却しません。となると、美術品を購入して、減価償却を通じて経費を増やして節税に役立てようということは難しい。
ただ、要件は厳しいですが一定の美術品については経費とする方法がないわけではありません。
話が脇道に逸れましたが、減価償却とは時間の経過とともに価値が減少することに着目した会計手続きなので、価値の減らないモノには行われない、ということでした。