経理を溜めてるリスク

経理を溜めるとは、本来経理処理というのは程度の差こそあれ、1ヶ月前くらいのデータが処理されている状況が望ましいのですが、数カ月分が未処理のママ溜まっている状態です。そして、決算間際に慌てて処理をする個人事業主や法人の方が一定数いらっしゃいますが、勿体ないし危険だと思います。

正確性がない

人間誰しも、あまりにも昔のことは正確には覚えていません。領収書や通帳に記されている内容を見て正確に思い出せる範囲は、せいぜい2、3ヶ月前くらい…良くて半年いけるかというところでしょう。

あまりにも経理処理を溜めすぎると、うろ覚えで処理せざるを得ない取引がいくつか出てきて、正確性を欠くこともあり得ます。正確性を欠けば、それだけ税務や会計リスクが高まります。

溜めすぎず、1、2ヶ月に一度くらいは経理データをまとめておけば、記憶も鮮明ですし、領収書などが見当たらないということもほとんどないでしょう。

今に活かせない

3ヶ月、半年、9ヶ月…と事業がどのような状況なのか定期的に観測しておけば、今後の予測が立ちます。

今期は利益がたくさんあるので、税金をたくさんかかるから、納税資金の準備をしないといけない…とか。

決算間際に慌てて資料をまとめて、決算・申告に間に合わせる類の個人事業主や法人は、今に活かせていないので、大抵は資金繰りに苦しみます。

半年前から納税資金が300万円必要だと段取りできているのと、1週間後に300万円必要だと慌てるのと、どちらがいいのか。後者にもしものことがあったら「危ない」というのは直感的にわかるでしょう。

もしものときに困る

経理データが、ある程度のスパンごとにまとめられていれば、わりとすぐに資産表が作成できます。

試算表とは、期中に簡易に作成した決算書のようなものです。

資金ショートしそうになった、などで融資を受けようとなったときにも試算表があれば融資に必要な資料をまとめられますが、そうでないと、対応にてんやわんやです。

まあ、定期的に経理データをまとめていたら資金的に危ないとかのタイミングも前もって見えるので、「負のスパイラル」にハマってるんでしょうけど。

脱却法…忙しさを言い訳にしない

忙しくて経理を溜める→業況や資金繰りが良くわからなくなる→無茶なお金の使い方→資金ショート→資金繰りでますます忙しい…

まずは忙しさを言い訳にせず、定期的に経理データをまとめる癖をつけることです。

どんなに忙しくても2、3ヶ月に一度くらいは経理データをまとめる時間はあるはずですので。あるいは税理士とあってデータをまとめてもらう、打合せをするくらいは出来るはずです。実際に、やっている会社や個人事業主さんは大勢います。

個人事業主や法人の経営者でヒマな人はいませんから、みんな「忙しい」。忙しさを言い訳にしていると何もできません。それで困っても、銀行や税務署は助けてくれません。