会計に向く人と向かない人がいます。向かない、言い換えれば適性のない人が会計業務をすると会社も本人も不幸です。
とりあえず先に進める
とりあえず先に進めるタイプの人は会計に向いてます。
例えば、会計データをまとめていて、何の支払いかわからない通帳の支出があったとします。
分からないから、ずっと調べる人もいますが、仕事がそれだけだったらいいのですが、他にもやるべきことは沢山あるわけで。
とりあえず、仮で処理しといて後でまとめて調べる方が効率的です。
他のことをやっていると、証拠が出てきたりして片付くこともよくありますので。
分からないことがあって、そこでフリーズしてしまう人は会計には向かないです。
少し言葉が悪いですが、「中途半端な」完璧主義。会計は、実体経済活動を写し取るわけですから、経理担当者が即座にすべて把握できることもないわけです。わからないものはわからない、後で調べるなり、聴くなりするという割り切りのバランスが必要です。
マクロとミクロ両立できる
マクロな視点とミクロな視点を両立できる人は会計に向きます。
会計データをまとめていると、数円単位でズレることがあります。ズレは合わせなければならないのですが、速報値として大きなトレンドを見なければならないときには、ズレは無視すべきです。
大きなトレンド(つまりマクロな視点)で見るときには、細かな部分は保留しておき、決算など詳細な数値が求められるときには、ズレもキッチリと合わせる。
大きな視点と、細かな視点を両立できないと、会計には向かないです。
口で言うと当然のように聞こえるのですが、細かな数字にこだわって大局が見えていない人は、実際、結構な数います。
仮説をたてられる
取引内容などについて仮説が立てられる人は会計に向きます。
会計データをまとめる際には、何かわからない支出や入金も出てくることもあります。
会社の動きを把握していて、その上で「こういった取引だろう」というような仮説が立てられれば、会計データの精度が段違いに上がります。
また、会計データは過去の傾向ですから、これから将来の姿を予測できれば、先回りして対応ができます。
会計データから、将来に対する予測すなわち仮説が立てられれば、事業計画や資金繰り、納税予想など様々なことに活かせますので。
単にデータをまとめただけ、という人とどちらが会計に向くかは言わずもがなでしょう。
これらを鍛えるには
これらの能力は、性格などその人の気質に深く関わる面もあります。
ですから、本質的にこれらが合わないという人間は経理や会計に携わらないほうがいい。周りが苦労しますので。
ただ、ある程度は鍛えることができると思います。簿記の検定の勉強を真剣に取り組めば、システムとしての簿記がこういった能力を拠り所にしているのが分かるはずですから。
相当程度、修練を積まなければこの域に達せませんが、その域まで達せなくとも、経営者などは知っておいて損はないでしょう。