【税理士試験】理論学習は、外国語学習と同じようなもの

理論学習は、外国語学習とりわけ我々に馴染みがあるのは受験英語ですが、英語学習と似たところが多いです。

基礎は大事

英語学習でも、文法や単語力(語彙量)は英語学習を支える基礎となります。文法や単語力がないまま、複雑な長文を読んだり話したりはできません。
理論学習においても、税法独特の言い回しや理論マスター(理論サブノート)を覚えることなしには、本試験問題を理解し的確に解答することはできません。
試験委員は、受験生にとってはいわば未知の外国語と同じような、「税法という言葉」を通じて対話をしているのです。
ですから、外国語学習でいう文法や単語力に相当する、税法独特の言い回しや条文つまり理論マスターを覚えなければ「会話」は成り立ちません。

理解して覚える

税法もある種の言葉であれば、理解は必須です。
ところが、ここに落とし穴があって、税法は一見すると日本語を使っているので、意味が取れるように見えてしまいます。
しかし、一般生活で使っている言葉の意味とは明らかに、或いは微妙に違う意味で使われていることも多々あります。
だから、講義などの解説が重要なわけです。
なまじ、同じ日本語であるから、自分勝手な解釈をつけてしまいがちですが、それでは通じません。
理解とは、そういったニュアンスを含めて、自身で説明できる、言語化できるということでしょう。

正確に

例えば、英語は「語順」が変わると意味が全く異なることが多々あります。
また、スペルもミスすると意味が通じないことも、これまた数多くあります。
ですから、外国語学習においては例文をたくさん覚えるのが有効とされています。
もちろん、うろ覚えでは全く役に立たなくて、語順どおり、スペルも(場合によっては発音も)正確に覚えます。
税法の条文も同じで、用語がおかしければ意味は通じないし、語順が変わったりカッコ書きが抜けると意味が変わるものも多々あります。
だから、「正確に」覚えるのが重要だとなわけです。

逐語訳は非効率

逐語訳とは、一言一句丁寧に意味をとっていく訳し方ですが、外国語学習で逐語訳はあまり役に立たないのはよく知られた通りです。
外国語と日本語では完全に置き換えが効かないというのが、その主な理由です。
当然といえば当然なのですが、全く異なる言語ですから、英語を日本語に完全一致させられるわけがないのです。
英語に長けた人は、そこを熟知していて、基本的には英語のまま意味をとります。(補助的には日本語訳を考えることもありますが)

税法理論においても同じことです。条文を逐語訳的に、一言一句に解釈をつけていこうとする人がいますが、これは今述べたような理由から役に立ちません。
つまり、税法の考え方などが完全には日常の言葉に代替はできないからというのが理由です。