役員退職金で節税…社長の報酬引き下げは注意が必要

 インパクトの大きい節税方法として、役員退職金があります。役員さんが退職する際に、退職金を支給して、経費を増やし節税を図るわけです。

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役員退職金

 役員が退職した際に支払う退職金は、経費になりますので、時期等をうまく考慮すれば節税につながります。

 

 また、役員さんが受け取る退職金については、所得税がかかりますが、退職所得は有利な課税となっていることも見逃せません。

 

(参考)退職金にかかる税金

 

役員退職金は功績倍率法で求める

 役員さんに退職金を払うと、経費になるのですが、税金を計算する上では、お手盛りにならないように、不相当に高額な部分は経費にすることが出来ません。

 

 ですから、役員退職金の金額については、功績倍率法で決める場合が一般的です。

 

 (功績倍率法) 役員退職金=最終報酬月額×勤続年数×功績倍率

 

 ※功績倍率については、3倍が上限として一般的です。 

 

社長の報酬の引き下げには注意が必要

 上記の算式からも分かる通り、会社の裁量で決められる要素は最終報酬月額しかありません。勤続年数は、動かしようがないですし、功績倍率については、3倍が上限というのが一般的な考え方です。

 

 そうすると、会社の代替わりが近づいてきていたので、社長の報酬を引き下げ、後継者の方の報酬を引き上げる場合には、実は役員退職金を引き下げることにもなります。

 

 役員報酬の変動には、税務署は常に目を光らせていますから、コロコロと社長の報酬を変更することは出来ません。(役員が辞める間際になって、役員報酬をグッと引き上げるということは認められないのです)

(参考)役員報酬を決める

 

 また、社長自身に課税される所得税を考えても、給料(報酬)で貰うより、退職金で貰うほうが非常に有利です。

 

 ですから、役員退職金も見据えて、役員報酬の引き下げは慎重に検討したほうが良いでしょう。