巡回監査という業界用語があります。クライアントのもとを尋ねて、帳簿書類等を確認し会計データが正しいか検証を行うことです。
違和感がある「巡回監査」という用語
税理士の業界では、クライアントのもとを月に1回程度尋ねて、帳簿書類を確認し会計データが正しいか検証することを「巡回監査」と呼んでいます。
監査ってコトバは、会計士さんが行う監査と紛らわしいので、どうもしっくり来ません。
それに、税理士の関与しているクライアントはどちらかというと中小零細企業が中心ですので、クライアントさんが作成したものをキッチリ検証するというよりも、クライアントさんと協力して正確な会計データや帳簿書類を作成するといったイメージのほうが強いからです。
巡回していない税理士事務所も
最近では、巡回をしていない事務所も増えつつあるようです。
安い顧問料を実現しようとして、コストカットを図るために移動時間を切り詰める→クライアントへの移動時間がもったいない→巡回を止める、といった流れでしょう。
巡回をしない場合には、クライアント自身に資料を持参してもらったり、Skypeなどでやり取りをしたり、あるいは郵送で済ます場合もあります。
この辺りは、事務所の方針だけでなく、時代の流れやクライアント自身が訪問を望んでいるのかといった問題もありますので、訪問をするorしない、どちらが正しいのかは無いともいえますが、コミュニケーションがとれていればいいのではないでしょうか。
何となく敷居が高そう
巡回監査という言葉自体が何となく敷居が高いイメージがあります。まぁ、クライアントの前で「巡回監査」と言うことは少ないのですが…
クライアントの中には、税理士は高圧的で取っ付きにくいといったイメージを持ってらっしゃる方もいるようです。そういったイメージを柔らかくするためにも、まずはイカツい印象のある「巡回監査」というコトバは止めにしたほうがいいと思うんです。(そのうち無くなるかも知れません(笑))