開業志望者は、開業準備期間にぜひとも簿記の勉強をしておいた方が便利です。
儲けを把握する
会社を経営する場合、あるいは個人事業を運営していく場合、いずれにしてもどれだけ「儲け」を出すかがその事業を続けていけるかのカギになります。
どれだけの儲けが出ているのか、あるいはどれだけ「使ってもいいお金があるのか」といったことが分かっていないと事業を進めていくことはとても難しいです。
よく言われることですが、簿記の知識無しに経営を行うことは羅針盤や海図を持たないで航海をするようなものです。
放漫経営で潰れてしまった会社や廃業した個人事業は相当数あるといわれています。放漫経営(経営者が数字を管理する能力が無いことによる無謀な経営のこと)を防ぐためにも簿記の勉強をしておいた方が良いでしょう。
簿記を学ぶメリット
簿記を学ぶメリットには以下のようなものが考えられます。
①事業の状況が把握出来る
簿記とは、日々の取引を一定のルールに従って記録・集計していく一連の手続きのことです。簿記を学ぶことによって、事業の状況が数字としてよりいっそう明らかとなります。
②金銭に対する感覚が磨かれる
簿記のメリットとしては儲けを把握することだけでなく、お金や借金等がどのくらいあるのかといったことも把握出来ることです。
お金には色がついてませんから、目の前にあるお金を使っていいのか悪いのかが判別しづらいですが、簿記を学習すれば判断がつきやすくなります。
③計画的な経営が出来る
簿記によって日々の営業取引を記録・集計することにより「試算表」という書類を作成します。ようは事業の「成績表」のようなものです。
簿記の知識と試算表を活用することにより、事業がどのような状況にあるのか、今後どのように進んでいくのかといったことも予測が出来ます。
その予測に基づいて計画的に経営を進めていくことが出来ます。
以上のことから、簿記を学習することにより放漫経営による倒産や廃業の可能性を減らすことが可能となります。
どのくらい勉強すればいい?
簿記の勉強をどのくらいすれば良いのかといった問題が湧いてきますが、まずは基本の日商3級程度の知識があれば十分でしょう。
なぜ開業準備期間に勉強した方が良いのかですが、開業してからだと忙しいからです。
また、開業してからだと色々と心配事等もあって勉強に打ち込むということも難しくなります。(もちろん開業してからでも勉強はできますが)
なので、開業する前の時間的にも精神的にも余裕のある時期に簿記の勉強をしておいた方が合理的だといえます。
初心者の方が簿記3級の勉強をする場合、早い人で1週間ぐらいのんびりする人で1ヶ月から2ヶ月くらいの勉強期間でしょうか。
独学でも経理学校に通っても構いませんが、3級であれば独学でも十分対応可能です。興味が出てきたら、検定試験を受けてみてもいいかもしれません。
なんにせよ、経営者となったからには業績をしっかりと把握しなければなません。業績を把握し適切な経営判断を下すための入り口として、開業準備期間に簿記の勉強をされることを強くお勧めいたします。
オススメのテキストも記しておきます。