帳簿を付けるのには、いくつかの意味や必要性があるからですが、「使っていいお金とダメなお金を区別する」ためにする面もあります。
事業を始めると帳簿を付けなければいけません。
昔は、紙の帳面に数字を集計して電卓をたたいて…というめんどくさいことをしていたのですが、現在は会計ソフトが主流になってきています。
ですから「記帳(取引を記録すること)=会計ソフトを入力すること」となっています。
会計ソフトをなぜ入力するのかというと、様々な理由があります。業績を測定するため、資金繰りの予定を立てるため、節税策を立てるためetc
そのなかでも、最近特に重要性が大きくなってきているのは「使っていいお金とダメなお金を区別する」ということです。
個人の財布の中身程度の話であれば、使っていいお金なのかダメなお金なのかは感覚的にもすぐに分かるのですが、事業に関わるお金になると途端に難しくなります。
大きな理由としては、①収益や費用とするタイミングとお金を実際に受け取ったり支払ったりするタイミングが異なることと、②自分のお金と預かっているお金の区別が難しいという理由が挙がります。
①会計上、収益や費用として記録をするタイミングとお金を実際に受け取ったり支払ったりするタイミングは異なります。(100%現金商売をされている場合くらいしか、このタイミングは一致しません)
②お金の中でも使っていけないものとしては消費税や源泉所得税が代表的なものになります。
消費税はお客さんから預かっているだけなので、一時的にお金が増えたように思えても使ってしまうと後々大変なことになります。
また、源泉所得税も従業員などから一時的に預かっているだけなので、やはり使ってしまうと大変なことになります。
以上のような理由から、手もとにあるお金が使っていいのかダメなのかがぱっと見では分かりません。
ですから、しっかりと帳簿を付けてお金を分けるということが自分を守ることにつながるわけです。