亡くなった方の所有していた預貯金も勿論、相続税がかかる対象になるのですが、利息の計算も忘れてはいけません。
相続税は亡くなった方の財産に対して課税されるわけですが、亡くなった方の預貯金については利息を考慮しなければいけません。
既経過利息を考慮
相続税がかかる金額を決めることを評価といいますが、預貯金の評価については「死んだ際に解約した場合の利息」を考慮しなくてはいけません。単純に、預貯金の預入高がそのまま課税される金額にならないので注意が必要です。
「死んだ際に解約した場合の利息」を「既経過利息」(要するに、まだ支払われていないけれど前回の利払い日から亡くなった日までの間に発生しているであろう利息のこと)とよんでいますが、利息には源泉所得税がかかります。(銀行にお金を預け入れていれば自然に天引きされているので気付きにくいですが、預貯金の利息からは源泉所得税が天引きされています)
亡くなった方の預貯金を評価する場合には、預入高に既経過利息を加算して評価することになります。この際、既経過利息については源泉所得税を考慮しますが、障害者の方で利子所得についての非課税の規定の適用(いわゆるマル優)を受けている場合には源泉所得税が課税されませんので、源泉所得税を考慮する必要はありません。
普通預金で利息が少額な場合には…
普通預金で利息が極めて少額な場合には、税金の計算に与える影響が小さいと考えられますので「既経過利息」を考慮しないで、預入高でそのまま評価することもありますが、元本の金額が極めて大きくなると、利息も大きくなるので既経過利息は考慮しなければならないでしょう。
残高証明を集めるときに…
相続税の申告をする場合には、預貯金の残高を証明するために残高証明を収集します。残高証明を収集する際などに、金融機関にお願いをすれば先述の解約利息や源泉所得税を考慮した数字を記載してくれる場合もあるようです。
せっかく残高証明を集めても相続税の申告で使えないのであれば無駄ですので、専門家などに相談するかしてから残高証明などの資料を収集した方が二度手間にならず効率的かと思われます。