経理は会社で行っていても、決算作業の大半は税理士に委託をしているというのが中小中堅企業の実態です。なかには、経理データが何らかのアクシデントで完成しないこともありますが…
決算の流れ
経理は会社で行っていて、経理の総まとめである決算は税理士に委託しているというのが中小中堅企業の実際のところです。
というのも決算データを引き継いで、税金の申告書にまとめ上げる必要があるので、税金の知識と切っても切れないからです。
決算には期限がありますので、会社としては一定の期日までに経理データを税理士に渡さないと、期限に間に合いません。
通常、中小中堅企業における決算申告の期限は決算日から2ヶ月後です。
データの取りまとめだけでなく、税金の申告書を作成し、納税資金を準備して、支払まで済ませることを考えると、キツキツではないにしろゆっくりもしていられません。
決算作業中のアクシデント
決算作業がスムーズに済めばいいのですが、なかにはアクシデントが起こることも。
よくあるのが、経理担当者が辞めたりして、決算が進まなくなってしまうということです。
経理担当者が一人しかおらず、それ以外の人間が経理の内容について明るくないという。
経理を担当者任せにしている経営者も悪いですし、丸抱えしてしまう担当者も悪い。
税理士もプロですから、断片的なデータであっても何とか税務的に問題のない申告書作成を期限に間に合わせることはできます。(あまりにも会社が非協力的だと無理ですが)
ただ、充分な時間がないと、決算についてのさまざまなリスクや今後の方策の検討が不十分になります。もったいないことです。
担当者不足?
近年では、経理担当者が高齢化している会社も増えており、またAIに経理が取って代わられるというデマ(デマとまでは言い過ぎですが、経理がなくなるということは少なくとも中小中堅企業では相当先まで起こりえないでしょう。)で、経理担当者が減っているという要因もあります。
担当者が、体調を崩して辞めざるを得なくなったり、(残念ながら)亡くなってしまったりということはこれからも増えることはあっても、減ることはなさそうです。
バンザイするなら早くして
先のような経理リスクにどのように備えるかは、また別のはなしとして。
経理担当者がアクシデントで、データを作れなくなるという事態は、発生し得ます。
最もひどいのは、新任の経理担当者が入るのですが、自身の能力を過信してしまって出来ると思っていたが、作業を進めてみるとできずに、投げてしまうという事態です。
担当者は、仕事を放り出して辞めることができますが、会社は決算をしなければなりません。
結果、会社の別の人や、税理士にしわ寄せがいってしまいます。
ギリギリまで引っ張られると、しわ寄せは大きくなりがちです。
ですから、まわりの人間も税理士も経営者も、「バンザイするなら早くしてくれ」というのがホンネ。
早めであればリカバリーできたのに、ギリギリまで引っ張るとリカバリーできないという。
まぁ、なんでも早め早めの対応が大事ということでしょう。