はじめての事業で失敗しやすいこと8個

はじめて事業を行うと失敗しやすいことは幾つかありますが、大抵は準備や知識の問題です。ということは、事前に勉強して時間をかけて準備をしておけば防げることも多いです。

資本金足りない

資本金(会社を始める元手のお金)を小さく設定しすぎて、運転資金が足りなくなる。(そもそも資本金がどういったお金なのかを理解しないまま、会社を設立してしまうことも多くあります…)

会社設立当初は資本金こそが元手で、会社を動かすお金なのですが、そのお金が足りないので、社長が個人的にお金を会社に注入せざるを得なくなったり。

創業時に融資を受けることも可能なのですが、融資は「もしものとき」のためにとっておきたいもの。(ある程度の知識と経験があるならば創業時の融資は有効と思いますが、自信がなければスモールスタートとするほうが無難でしょう)

運転資金をしっかりと見積もって、元手をしっかりと準備して事業を始めたいものです。
いったん、資金繰りで後手を踏むとずっと後手を踏み続けなければなりませんので。苦しいですよ。

資本政策

資本政策とは、誰が株主になるかということです。会社は株主のものなので、株主が誰かは会社の命運を左右します。

株主がたくさんいれば、一人あたりが会社に入れるお金(資本金つまり元手)は小さくてすみます。

しかし、株主が多いと機動的な意思決定が出来なかったりと運営に支障をきたします。
なるべく、はじめて商売をする場合には「自分自身が社長で株主一人」という状態にしておくことです。

たまに、「経営には口出ししてほしくないけれど、お金を出してほしいので株主になってほしい(意訳)」という人がいます。ちょっと虫がよすぎるかもしれません。

決算期悪い

決算期の設定をミスするというのもありがちです。一般的なセオリーとして、決算は繁忙期を避けた方が良いです。

決算は、作業自体を税理士に任せたとしても、打ち合わせや納税資金の考慮も含めて「社長自身がしなければならないこと」が多くあります。

そんな時に、繁忙期が重なってしまうとどちらにも集中できず、精神的にも肉体的にも大変で、あまりよい結果をもたらしません。

決算期は後から変更できますが、余計な手間になります(また、決算の時期を変えると過去との比較がしづらくなるので変更するなら早めが良いです)ので、最初から繁忙期がわかっているのであれば避けた方が無難です。

青色申告など届出忘れ

会社を作ると様々な届出をしなければなりませんが、忘れると痛いものも多くあります。
税金関係だと「青色申告」。

青色申告は、赤字を翌年以降に繰り越す(翌年以降の黒字と通算できます)ことができたりとメリットも多いですが、忘れてしまうと、メリットを受けられません。

創業時は赤字になることがほとんどなので、青色申告の届出を忘れてしまうと、赤字を捨ててしまうのと同じです。

かつては難しかったのですが、ネット上のサービスなどが充実してきて、専門家に依頼せず自身で会社を作る手続等をする人も一定数います。「面倒くささ」や「専門知識」「判断」の重要性が分かって、それはそれで失敗しても勉強となるからいいのではとも思います。ただ、忘れると致命傷もあります。

売上を上げる方法を考えてない

売上のあげ方を考えていない人が、たまにいます。立派な設備やお店を構えたけれど、お客さんがあまり来ない。売上がたたないと、立派な設備やお店も役に立ちません。

起業する前は、どんなコストがかかるのかとか、どんな設備が必要なのかとか、そんなことは考えるのですが、売上の立て方を煮詰めていなかったので…。

売上のあげ方は、起業してからも試行錯誤しなければなりません。ただ、起業する前は時間はあるはずなので、たくさんの方法を考えておくのが良いでしょう。

起業してから方法を考えると、そのあいだの「時間」や「経費」(たとえば家賃とか)が発生するのでもったいないです。

考えすぎても、考えすぎたということはありませんし、たくさんの方法が全て当たるということはありませんので事前にもやっておくべきでしょう。

社員の給料設定高すぎ

事業がはじめてということは、人を雇うのもはじめてです。
人を雇うときに失敗しがちなのが、給料を目一杯にすることです。
給料は、貰う方からしたら多いに越したことはないのですが、払う方からすると抑えたいもの。

起業すると給料日は、「貰う日」ではなく「払う日」に変わるわけで、これは払いのキツさを、実感しないと理解できません。

少なければ、後からあげることはできますが、高過ぎたので下げるのは難しい。
安く値切れというのではありません、高く設定し過ぎるなということです。

給料の適正額は、ベテランの経営者の方でも悩まれる問題ですし、これという正解があるわけでもないのが厄介でもあるのですが、「目一杯」は危険なので気をつけましょう。

リース

起業当初は色んなミスをします。まありにも安く受注してしまったり、要らないものを購入したり、業者に半ば騙されるような…

やってしまいがちなのが、設備関係です。これ使うかなと思ってリースした複合機やらサーバーが意外と使わなかったりとか。

リースはうまく使えれば良いのですが、使わない(使えない)ものだと負担も大きいです。

家賃高すぎ(立地悪い)

店舗や事務所の家賃高過ぎ問題です。

業種によって、適正な家賃水準というのは違うのですが、採算が合わせられない家賃で借りてしまったということがよくあります。

自身の業種における適正な家賃の比率を調べて、その家賃が賄える売上が立つのか?
また、家賃は表面上は高く見えないけれど、自身の業種に立地が合っていないというミスマッチもあります。

なかなかお店や店舗は移転できないので、家賃や立地の失敗はあとを引きます。
店舗型のビジネスを避けるというのも一考の余地があるかも知れません。

大抵は勉強不足と準備不足だが

以上のように、起業時に多い失敗の原因の多くは結局のところ、勉強不足と準備不足です。

注意すべきは、全てが悪いわけでなく、失敗したから分かることもありますし、状況は変わっていきますので仕方ありません。

ですから、ある程度の失敗は仕方ないと割り切ることと、金額や時間などで致命傷を負わなければいいと考える必要もあります。考えすぎると何もできませんので。