起業するのは、小さな船で大海に漕ぎだすようなものだと例えられます。
起業せず安定した企業に雇われていたり公務員だったりが、大きな船だとしたら、もちろん起業当初は小さな船でしょう。
大きな船に比べて、小さな船は波や風雨などの影響で大きく揺れたり、浸水したりしやすいですが、それでも起業した方がいいと思います。
大きな船は所詮他人の船
大きな船とは言っても、自分の船ではありません。所詮は他人の船に間借りしているだけです。
航海が順調なときはいいですが、ひとたびトラブルが起こると、自分の船ではありませんからさまざまな理不尽を被る事もあるでしょう。
日本の法律では、労働者は強く保護されています。それは、労働者は弱い存在だから。船の乗組員も「航海に出てしまったら」ある程度の理不尽は飲み込まないと、大海のど真ん中で降りるわけにもいきません。
そして、船の乗組員としての働きが認められないと、船長から退船を命じられることも(リストラ・役職定年)往々にしてあります。
他人の船ですから、他人のルールで生きなければなりません。(他人の船で文句ばかり言っていると精神的にも良くないですし、生産的でもありません。他人の船に乗るならば、不平不満は言わないことです)
大きな船は沈んでいても気づかない
大きな船は沈みにくく、小さな船だから沈みやすい。というのは正しくもあり、誤りでもあります。
大きかろうが小さかろうが、船長や乗組員が優秀か、状況判断が的確か、あるいはどのような航路を旅しているのか、といったことで沈むかどうかが変わります。
また、大きな船は沈んでいても、多くの人はなかなか気づかない。大きいゆえに、沈むことをイメージできないのでしょうが、気づいたら海の藻屑(倒産)だったということも。
自分の船であれば、計器を自分で確認しますから、前もって気付けます。
他人の船は自分の目的地には行かない
なぜ船に乗るかといえば、どこか目的地があるからです。あてもなく…という人はほとんどいないでしょう。
ところが、「他人の」船は、「自分の」目的地に着くとは限りません。
幸運にも他人の船に間借りして乗せてもらっていても、たまたま目的地が同じだということもあり得ます。
しかし、そうでないなら、どこに向かっているのか良く考えないと、永久に自分の目的地には辿りつけないまま人生を終えることになります。
小さな船は進む力は小さくても、船首は常に自分の目的地に向いているはずです。