「税金安くしてください」という要望

「税金安くしてください」と言われることはたまにありますが、あまりにも漠然としすぎて対応に困ります。

いくらが安いのか

まず第一に、何をもって高い安いを、判断しているのかが不明確です。

明確な物差しを持っているならば、まだわかるのですが、単なる主観で高い安いを判断しているとしたら、それは合理性が無いので、「あなたは高いと思っているかもしれないが、世の中にはもっと高い税金を払っている人が多くいる」ということになって水かけ論です。

会社がどのくらいの利益を得ているのか、それに対してどのくらいの税なのかを、よく考えて、納得できなくてもある程度は我慢しなければなりません。

結局、税金はみんな「我慢して」払ってるわけですから。
(だからこそ、その一線を超えてしまう、つまり脱税は罪が重いのです)

どの(何の)税金か

「税金を安くしてください」という要望が漠然としているのは、「どの税金」なのかということもあります。

ひと口に税金といっても、法人税、事業税、住民税、消費税、所得税、固定資産税、自動車税…とさまざまです。

会社にかかる法人税を減らしても、個人にかかる所得税が増えるといったことも起こり得るわけです。あちらを立てればこちらが立たず、とでもいいますか…ですから、トータルで安くなるように考えて入るわけですが。

絶妙なバランスで成り立っている場合、それを歪めると反動もでます。
税金は「連動」しているものも多いですから、そういった関係も考えず、ただ「安くしてくれ」は難しいですし、いわゆる「いいとこ取り」は無理です。

(全ての税を安くして「いいとこ取り」すれば脱税となって塀の向こう側へ行ってしまうという…、どう考えても割に合いません)

「めんどくさいことも多いです」

税金を安くする、つまり節税をするには「めんどくささ」が伴います。

仕組みを整備したり、証拠資料などを揃えたり、細かな記録を取ったりetc。

要は「めんどくささを積み重ねること」が節税ですから、税を安くしようとしたら、ひたすらめんどくさい。めんどくさいのは嫌、でも税金を安くしたい…ということはあり得ないわけです。

まとめると、
①妥当な範囲の金額で
②特定の税金を
③めんどくささを厭わなければ
下げることはできる、ということです。

全てが自分のものではないという割り切りも必要かも

働いて得たお金からは、色々と天引きされます。同じく、事業で得たお金も色々と引かれるわけです。

使いみちについては、憤りや違和感を感じることもあったとしても、「全てが自分のものではない」という割り切りは必要でしょう。

事業をしていても、儲けが全て自分のものになるという考えでいると、税金は高く感じるでしょうから。(なかなか、その域に達せませんが…)

そのうえで、まあ「このぐらいなら仕方ないか」という水準を見いださないと、いくらの税金でも高く見えてしまいますので。そういった人の行く先は……。