意外に思われるかもしれませんが、急激に売上が拡大している時期は資金ショートを起こしやすいタイミングです。損益上は黒字であっても、資金がショートしてしまえば倒産にもなりかねませんので注意したいところです。
急激な売上増加は資金ショートに注意
通常の感覚だと売上が増加をすればお金もばんばん入ってきて、良いことずくめのように感じます。しかしながら、現金決済であれば問題は無いのですが、売掛金などでの決済であれば、売り上げてから入金までのタイムラグが生じます。このタイムラグが問題になります。
大抵の場合、売上が増加をしていると商品の仕入れなども増加をしていますので、普段よりも支払が増えます。そして、商品代金や経費の支払の方が売掛金の入金よりもタイミングが早いことが多いです。すると、手元に資金が不足している状態で支払をしなければならなくなります。資金ショートの危険性が大きくなります。
支払条件の見直しをお願い
上記の対策としては、取引先に商品代金や経費の支払条件を見直してもらうという方法も有ります。取引金額が大きくなっているのですから、交渉次第では取引先も単価や支払条件などの見直しを考えてくれるかもしれません。
銀行からの借入で賄う
事業拡大に伴う資金需要ですから銀行も積極的に取り組んでくれるでしょう。銀行が融資をしやすいように、月次試算表や資金繰り表などを日頃から整備しておくことが肝要でしょう。
資金繰り表などを作成しておけば、事前にどの程度の資金が必要なのかが分かりますので、税理士などに相談してみてください。
損益計算書の利益と現金の収支は一致しない
このように、売上が拡大して損益計算書上は利益が出ていても、売掛金の入金と商品代金・経費の支払のタイミングのズレによって、資金ショートの危機に陥ることが有ります。
損益計算書は発生主義といって、経済的な価値が増減したときに収益・費用を認識しますが、通常これらは現金の収支と一致しません。損益計算書上の利益だけでなく、実際の現金の収支にも注意するために資金繰り表などを活用してみてください。