結婚したての30代で、夫婦ともにフルタイム勤務であれば、世帯年収は増えやすく、家計はある程度回っていきます。 生活費を払いながら、一定の貯蓄ができる家庭も少なくないでしょう。
ただ、結婚を機に、子ども・教育費・住宅・老後資金など、これまで遠い話だった将来のお金の問題が一気に現実味を帯びてきます。 そして、この不安は、収入を増やしたり節約したりするだけでは、必ずしも解消しません。
家計の安心感は、収入の額だけでなく、預貯金・株式・住宅など「お金の置き場所」のバランスにも左右されるからです。 本記事では、共働き夫婦が資産形成を考えるうえで、何をどの順で整理すべきかを全体像として整理します。

将来の不安には「収入」だけでなく「お金の置き場所」で対応する
共働き夫婦は、単身世帯や片働き世帯に比べると、収入面では有利になりやすい一方で、将来の不安にも「収入」や「節約」だけで対応しようとしがちです。
しかし、実際には不安の中身は一つではありません。 子どもを持つかどうか、教育費をどう準備するか、住宅を取得するか、老後資金をどう整えるか。 それぞれ必要なお金の性質も、備え方も異なります。
そのため、収入を増やすことや、預貯金を増やすことだけでは、家計全体の不安に十分対応できないことがあります。
大切なのは、「収入を得ること」だけでなく、そのお金をどこに置くかまで含めて考えることです。 年収が高くても不安が残る背景については、別記事の「年収1,000万円でも不安な理由」でも触れました。
共働き夫婦の資産形成でも同じで、家計の安定には「収入」だけでなく「お金の置き場所」の設計が欠かせません。
この記事では、その入口として、まずは基本となる
①貯蓄
②株式投資
③住宅取得
の3つに分けて整理します。
貯蓄だけに偏るよりも、貯蓄・株式投資・住宅取得という3つの観点で家計を整理した方が、将来の支出や不安に対して、より柔軟に対応しやすくなります。
ステップ1:それぞれの貯蓄目標を立てて共有する
共働き夫婦の場合、財布を別々にすることが多いと思います。
企業でもそうですが、文化や風土の異なる2社が合同で事業を行うのは困難を極めますから、無理に財布を一緒にするのは避けたほうが無難であり、合理的です。
そうすると、家計用の共同口座を作り、お互いのお金を出し合う。残ったお金は各自が自由に使って良いこととするが、貯蓄目標と進捗はおおまかでも良いので共有しておく。
という運営形態が良いと思われますし、うまくいっているケースが多いです。
ステップ2:上場株式を買う準備をする
緊急資金として現預金を生活費の6〜12ヶ月分程度確保すれば、ある程度投資に回せる資金も出てきます。
これを金融資産に余剰資金を回すなら、上場株式(大型・財務安定・高配当)がおすすめです。投資信託やローリスクな商品に比べてリターンが見込め、インフレ対策にもなります。
実践方法
- 証券口座を開設する:
まずは大手証券会社やネット証券で口座を開設。共働き夫婦なら、夫婦それぞれが口座を持つのも効果的です。 - 銘柄選定を始める:
大型株や高配当銘柄をリストアップし、少額から購入を始めましょう。
上場株式がおすすめの理由
インフレに強い:
株式は物価上昇に伴う価値増加が期待できる。配当が得られる:長期的に見れば、配当収入が老後資金の補助になる。
投資信託の代わりに選ぶ理由:
投資信託は手数料が割高でリターンが低いものも多い。上場株式ならコストを抑えつつ直接投資が可能です。
なお、上場株式の購入は、年間で年収の1割程度をめやすに、緊急資金とのバランスを考慮して行えばよいでしょう。年収1,000万なら100万がめやす、なかなか厳しいですが出来なくもない金額です。
ステップ3:住宅を資産形成の中心に据える
資産形成の中核となるのは住宅です。まだ購入していない場合は、早めの準備をおすすめします。すでに住宅を所有している場合も、老後に住宅ローンが残らないように繰上返済などの計画を見直しましょう。
実践方法
住宅取得の計画を立てる:
まずは頭金やローンのシミュレーションを行い、無理のない計画を立てます。
フルローンでの住宅購入は、資産形成の観点からも無謀です。30%程度は頭金を準備すべきです。
住宅ローンの返済スケジュールを見直す:返済期間や金利を見直し、老後に負担が残らないよう調整します。
なお、住宅ローン控除を有効活用するため、住宅ローン控除が終わってから繰上返済しましょう。
メリット
安定した生活基盤を確保:
家賃がかからないことで老後の生活コストを抑えられます。老後に住む場所がある、という精神的な安定感も、重要だと考えます。
資産価値の維持:
土地比率の高い住宅は、将来的にも資産として価値を持ちやすいです。
まとめ:3ステップで資産形成を始めよう
共働き夫婦の資産形成は、まずは小さな一歩から始めることが大切です。
①貯蓄目標を共有し
②上場株式の準備をし
③住宅を計画的に取得する。
この3つを意識するだけで、将来への不安が大きく軽減されます。
どれも、日々メンテナンスをしなければならないことではありません。ときどき、たとえば年に一度話し合ったり、考えたりすれば手間はかかりません。
なるべく早く行動することで、時間を味方につけて、資産形成に加速度をつけると、数年後に大きな差になっていることを実感できるでしょう。



