普通は経営に対する責任者は一人なのですが、複数で経営に責任をもつ共同経営というスタイルもあります。ただ、うまくいくケースが少ないので止めておいたほうが無難です。
仲間と事業を始めたけれど…
仲間と事業を始めたけれど、方向性がバラバラになって袂(たもと)を分かつということはよくあります。
当初は、会社を大きくするという旗印のもと一致して努力できるのですが、苦しい時期が一定期間以上続くと、不満が溜まってきて揉めてしまいます。儲かっていたとしても、「俺のほうが仕事を取ってきている」「俺のほうが仕事を沢山こなしている」「俺には家族がいる」とかそういった個人の思惑や感情などが絡まって、お金の分配や事業の方針を巡ってもイザコザが起きるます。
共同で事業をやるのは、一人でやるよりもメリットも多そうですが、イザコザや揉め事も数倍になります。
気が合うのとパートナーの適正は別問題
昔からの友達(知り合い)同士で事業をするから大丈夫だろうという考えもありますが、成功するパターンもありますが、ついつい「なあなあ」な感覚で仕事をしてしまい、他の社員から不信感を持たれるとか、「人間的にはいいやつなんだけど金にルーズで…」とかで失敗することも。
本当に考えなければならないのは「軸」があっているかでしょう。
経営をしていく上では、シビアな選択をしなければならない場面や、心配やプレッシャーで吐き気を催すような場面も多々遭遇します。生活がかかっているわけですから、当然のことなのですが、そういったシビアな場面で、
・仕事への取り組み方
・金や人に対する考え方
・事業の方針や目標
などといった、「軸(方針)」がズレている人と組んで仕事をするのは考え直したほうが良いでしょう。
他人任せになることも
起業するということは、全て自分で行動を起こし責任を取るということですが、共同経営の場合、そのあたりがあやふやになります。
少し変わった例ですが、子供の頃に運動系の部活などをしていた人は、校庭のフェンスや朝礼台やサッカーゴールなどを複数人で運んだことがあるのではないでしょうか。複数人で大きな荷物を運ぶときに、人の脳は知らずにパワーを制限してしまうそうです。
たとえば一人がマックスで10のパワーを発揮できるとして、5人いれば10×5=50のパワーになるはずなんですが、実際は40にもならなずもっと少ないかもしれません。無意識に人任せにしてしまうんですね。思い返してみれば、目いっぱいの力を発揮していたかというとそうでもなかったような。
共同経営がうまく行かないのはそういった知らずに他人任せにしている面もあるのでしょうね。