【よくある失敗】来店型のビジネスは事前によく検討を

飲食店であれ、美容院であれ、店舗を構えてお客さんに来てもらう「来店型」のビジネスは商売のイメージがしやすい半面、デメリットも大きいです。

来店型のビジネス

飲食店、美容院、小売店…など店舗を構えてお客さんに来てもらう商売を「来店型のビジネス」などといったりします。

来店型のビジネスは店舗を構える必要があり、ひとたび出店すると場所を変えることが難しいです。

場所による有利不利は極めて大きいのですが、そのあたりを考慮せずに出店してしまうという判断ミスが多いです。

もちろん、場所のハンデがあっても、優れた経営者であればあの手この手で集客をうまく行い、採算がとれるところまで売り上げを持っていくことが出来るのですが、ビジネス初心者の場合には、よく考えたほうが良さそうです。

考えること①…立地、賃料

来店型のビジネスでミスする人の特徴として、場所にこだわらず内装や設備にお金をかけます。

もちろん設備や内装も大事なのですが、交通が不便であったり、淋しげなビルの上層階など(狙ってやってるのであれば問題ない)であれば、そもそも設備や内装を見てもらうお客が来ません。

やはり立地はある程度はこだわったほうが良さそうです。

いい場所になると、賃料も高いし、競合も多くなりますが。

飲食業であれば、よくいわれることに賃料は月商の10%程度が理想。

30日稼働するお店であれば、3日分の売上で賃料をまかなうイメージです。

逆に考えれば、賃料の10倍の月商が見込めるかどうか、しっかりと考えるべきでしょう。

場所はいいので、来客は多いけれど、賃料が高すぎて利益を圧迫しすぎて廃業というのはよくある失敗です。

考えること②…回収期間

来店型のビジネスの場合、初期コストが必要になります。

店を借りるための敷金など、設備、内装工事、看板やディスプレイなど。

ありがちな失敗は、初期コストの回収期間が曖昧ということです。

初期コストは、これからの利益で回収するわけですが、何年で回収するのか(できるのか)?

設備などは永久には使えませんから、回収期間の見積もりが間違っていると、設備が先に壊れて修繕費がかさむ状況に陥ります。

居抜き?

来店型のビジネスで、初期コストをあまりかけられない場合には、居抜きの検討もします。

居抜きとは、テナントに前に入っていた事業者が設備や内装などを残したままの物件のことです。

前の事業者の設備などがそのままなので、店の客動線などに制約はかかりますが、コストは比較的安く抑えられます。(もちろん、居抜きということは「前の」事業者は撤退しているので、そのあたりの事情はよく調べなければなりません。

考えること③…集客

出店予定地と、そのエリアを利用している人たちが合っているのか否か。

学生街、オフィス街、住宅街、工場…など、街の特徴と合っていないこともよくあります。

工場のど真ん中にスーパーを作ってもなかなか集客では困りそうですし、オフィス街に美容院作っても…どうなんでしょうか?

特に都市部ですと、通り一本裏に入ったり、西にずれたりしただけで人の動線が大きく変わるということがあります。

来店型のビジネスは、エリアの特性をある程度は考慮しなければなりません。

路面店か?

路面店かそうでないかも重要です。

路地などの奥まったところ、ビルの2階以上にある店にはどうしても、心理的に入りづらい。

目抜き通りのビルの6階と、目抜き通りから通りを4本くらい入った路面店…どちらが良いのか。

自身の商売のコンセプトと、予算などと繰り合わせなければならないでしょう。

立地はどうにもならない

事業をはじめて、あとからどうにでもなることも多くあります。

が、あとからどうにもならないことも、また、多くあります。

どうにもならないこととして、資本政策の失敗(誰を株主にするか)や来店型のビジネスの場合には「立地」が代表です。

あとからどうにもならないことは、やる前にしっかり考えておくことです。

ゴールに近いところから走り始めるのか、遠いところから走り始めるのか。商売を始めたら、精一杯やるのは当然として、スタート地点が違えば結果も自ずと違いますので。