マーケティングの世界では「特化する」という戦略があります。特化すると、同じようなことをたくさんしますから、ノウハウが豊富に蓄積され、業務効率が上がるなどのメリットが、あるとされます。
しかしながら、税理士には当てはまらないので、業界特化しません。
業界・業種特化
いわゆる「〇〇専門」という形態です。
飲食業、美容業、医業など、特定の業種に特化すると、業務が定型化できるので効率が上がり、数がこなせるのでノウハウも溜まり、更に顧客の獲得がしやすくなるというマーケティングの戦略です。
確かに以上のようなメリットもありますが、わたしはそこまで特化する戦略は取りません。
拡大しないから
個人的な好みとして、事務所を拡大して…ということを考えていません。
大きな事業をしようと思っていたら、税理士にはならず、ほかの仕事の方が拡大しやすいでしょう。
また、拡大すると手間や労力、リスクも大きくなります。それよりも、自分がキチンとこなせる数のクライアントにしっかりとサービスする方が自身の性格に合っているという理由です。
オーダーメイドのサービス
私が(弊社が)提供しているサービスは、オーダーメイドの税務会計サポートですから、お客さま一社ごとに、サポート内容やアプローチの仕方などは変えています。
根っこにある税務などの知識は同じでも、見せ方使い方がクライアントによって全く異なります。
オーダーメイドであるがゆえに、拡大はできないし、特化したとて、業務を定形化はできません。
特化リスク
業界に特化すると、その業界の動向に自社の経営状態が左右される可能性があります。
自社の経営状態が健全でないと、クオリティの高いサービスは提供できないと考えますから、そういったリスクは避けておきたいところです。
また、個人的な好みとしてさまざまな業界の方と接することで、さまざまな考え方を持ってらっしゃる人がいて、その考えに触れるのも仕事柄、必要かと思いますし、単純に面白いです。
「業界に精通」するアドバンテージはない
税理士を探している人が、自社の業界に精通している税理士を希望する、との要望を持っているようですが、ほとんど意味はないと考えます。
そもそも、税理士が提供するのは税務会計などの専門知識ですから、そこに精通していればいいわけですし、それぞれの会社の特徴はその会社とのコニュニケーションで掴んでいけばいいだけのこと。
そこにアドバンテージは感じないし、それだったら税理士は税務会計或いはその関連する知識や技能をもっと磨くことに専念したほうがいいと思いますので。