税理士のカバンの中身は?持ち歩くモノの変化から見る時代の移り変わり

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税理士の仕事は「知識」が商品なので、実際に持ち歩く道具は少ない――はずなのですが、なぜか同業者のカバンは重たい。
本記事では、税理士がカバンに入れている代表的なアイテムを紹介しながら、働き方の変化やデジタル化による道具の移り変わりを考察します。
これから税理士を目指す方や、業界に関心のある方にとって、仕事のリアルを垣間見るヒントになれば幸いです。

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税理士業はペンと電卓と紙があれば良い?

同業者のカバンは総じて重い傾向にあります。個人的には重いカバンは嫌いなのですが、他人が重いのは別に良いでしょう。

私が業界に入りたての頃(20年近く前)には、年配の税理士さんから「税理士業はペンと電卓と紙があれば何処ででも出来る」と言っていました。(必要な知識は頭に入っているということでしょう、大した自信ですね)

いずれにせよ知識という見えない商品を扱っているので、実際のものを持ち歩く必要は少ないというのは一定の事実でしょう。

ただ、現在の税理士業はパソコンやスマホといったツールが手放せなくなっており、その税理士さんはパソコンとかはまるで駄目な人でしたから、今と昔では少し事情が変わってきているのは確かです。

以下は私が持っていたり、かつて持ち歩いていたものです。

税理士が持ち歩いていたもの・現在も使うもの

電卓→パソコン

最近は持ち歩いていません。クライアントさんの前で電卓を叩くという機会は殆どないからです。

納税額のシュミレーションや、簡易的な経営分析であれば、パソコンを持ち歩いていれば用が足りますので、電卓よりむしろパソコン(ノートパソコン)を持ち歩く機会が多いです。

昔のノートパソコンは重くて、2キロぐらいあったので腕がもげそうになった記憶もありますが、最近は軽量のパソコンも増えてきており力のない私でも何とか1キロ程度のパソコンであれば持ち歩くことが出来るので助かります。

パソコンには、会計のソフトと税務のソフトが入ってるわけですが、お客さんのもとで税務申告書を作る機会はほぼないでしょうから、会計ソフトとエクセルがあり、ネットに繋がれば充分な気がします。

ただ、事前にデータを確認等していれば打ち合わせの場に、パソコンを持っていく必要もありません。近年はパソコンすら持ち歩かないこともあります。

筆記用具

これも以前に比べれば使う機会は格段に減った気がします。小さなペンケースに最低限の筆記用具があれば渡しの場合は足ります。

意外と、ボールペンを使う機会はあるのであると便利です。

手帳→スマホ

以前は手書きの手帳を持っていたこともあったのですが、予定が頻繁に変わるのでスマホの方が便利です。Google Calendarでスケジュール管理すれば、予定の変更などにも楽に対応できますし、手帳を忘れることはあってもスマホを忘れることはないので、スマホで代用で良いのではないでしょうか。

また、私が税理士事務所に勤務していた頃には考えられないのですが、スマホだとスキャンアプリが充実しておりお客さんのもとで資料を預からなくても、殆ど時間を掛けずスキャンできるので大変助かります。

かつては、FAXでやり取りなどもありましたけど、むかしのFAXは解像度が荒くて数字が読みづらかったりといいことはないですから、スキャン取りきれなければ、PDFファイルなどを送ってもらったりします。

名刺

ビジネスマン必須のアイテムです。

特に士業の方は写真入りの名刺を使ったり、折りたたみ式の名刺を使ったりと工夫を凝らしてる方が多いです。複数の名刺を使い分けてる人もいます。

個人的にはシンプルな名刺が好きなので、オーソドックスなものを使用しています。あるかないかが大事です。

クリアファイル

以前に比べて、書類を持ち歩くという機会は減りましたが、それでも書類のためにクリアファイルが入っていることがあります。

まあ、そのうち無くなるんでしょうけどね。

スマートフォンの電源

充電を忘れたときのために。まぁ、あまり使いませんけど。

スマホもパソコンも、充電が切れないものを買うのが鉄則でしょう。

税務ハンドブック

税金の基本的な数字や条文が書いてあるハンドブックです。業界に入りたての頃は、便利だなーと思って、持ち歩いていたのですが、最近は持ち歩いてません。

スマホやパソコンで調べることが出来るので。(あるいは、事前に調べておくなど)

目薬

この仕事は目が疲れます。カバンに入ってると結構便利です。

折りたたみ傘

税理士だから持ってるとかそういう問題ではなく、性格の問題でしょう。折りたたみ傘を入れるケースもあると中身が濡れないので、便利です。

その他

余談になりますが、はさみ・のり・カッター等も持ち歩いてる人がいました。悪い意味で感心しました…

それだけ持ち歩けばどこでも作業が出来そうです。

その人のカバンがめちゃくちゃデカくて印象に残ってたので、この記事になりました。中身を全部見たわけでないので、きっと他にもすごいものが入ってるのかもしれません。

道具の進化とともに変わる税理士の働き方

時代の流れで、紙からクラウドへの移行も進んでいますし、モバイル端末も軽量化され使い勝手も良くなっています。

冒頭の「どこでも仕事ができる」というのも、ある面では正しく、機密データをきちんと保護できる環境であれば、どこでも仕事ができると言えますが、そこが一番ネックかも知れません。

税理士業の本質に必要なものとは?

道具よりも実際に大事なのは、「判断を間違わないこと」ですね。

そのためには、社長がどのような考えを持っているのかを共有しておかなければなりませんから、道具だけで言えば、持ち歩くのはスマホとパソコンが有れば十分かもしれません…

ちなみに、税理士バッチはつけたい人もいますが、とくにつけてません。その人が税理士かどうか調べようと思ったらネットで検索すればわかりますし(税理士検索といいう日本税理士会連合会が提供しているサービスがありますから)、話してみれば試験に合格してる人がどうかはわかりますので、バッチにはそこまでこだわりがない人のほうが多いかもしれませんね。