取引内容を記録しておくために、通帳に記録を残したほうが何かと良いのですが、もうひと工夫するとさらに内容を把握しやすくなります。
経理の基本として、お金の動き(取引)を通帳に残しておくと良いという話を以前にした(参考お金の動きは通帳に残す )のですが、具体的にどのように残すと良いのでしょうか。
入金、出金だけではわからないことも多い
得意先が代金を入金してくれたり、取引先が経費などを引き落とした場合には、相手の名前が印字されますので、取引の内容を推定しやすいです。
一方、現金で取引をし、そのお金を預け入れたり引き出したりした場合には、金額だけが印字されるため、その取引が何だったのか客観的には分かりません。もちろん、金額が動いたということは分かるのですが、何のためのお金なのかがわからないと経理としては効果が半減してしまいます。
売上の金額なのか、単に預かっただけのお金なのか、あるいは、売上のお金であっても「何を」売った代金なのかといったことが分かりません。
通帳に「メモ」を残しておく
そこで、通帳の空白部分を利用して取引の内容を簡単でかまわないのでメモしておきます。
売上なのか、預かっただけのお金なのか、売上だとしたら何を売った売上なのか。経費も同じように何に使ったのか、といったことを簡単なメモとして残しておけば備忘録としても役に立ちますし、経理処理をする際にも確認が簡単で済みます。
多くの取引を行っている場合、必然的に通帳への記帳も多くなりますから、メモをとるのも大変です。
そのような場合には、自動引落などを利用して取引内容が勝手に印字されるようにしておくと良いでしょう。(余談ですが、預金のデータなどを読み取って自動で会計処理をするクラウドサービスも、お金を入れたり出したりしただけではうまく取引を判別できませんから、備忘録として自分でメモを取っておかないとあとでこまったことになることもままあります。)
何をメモするか困ったときは
そもそも、通帳に取引のメモを残すのは取引があったことを証明するため、取引の内容を忘れないようにするため、経理処理をスムーズに行うためです。
その目的がわかっていれば、どのような内容をメモに残すかは何となくわかってくるのではないでしょうか。
通帳に記録を残すことを、取引があってから間を置かずに行っているのであれば、日付けはいらないでしょうが、(好ましいことではありませんが)取引から日がたっている場合には日付けも必要でしょう。
取引相手の名前、 どのような取引(例えばモノを買ったのであれば、単に買い物とか消耗品とか書くよりも、ノート10冊と具体的な内容を書いたほうが良いということです)なのか、あとからどういった取引だったのかが分かるようにメモを残すのがコツです。
この考え方が身につくと、経理のやり方を半分以上マスターしたのと同じですので、頑張ってみて下さい。