「借金が嫌い」は美徳か?

日本人は借金が嫌いな人が多いです。借りたものは返さなければならないという感覚がしっかりしている、責任感の強い日本人ならではなんでしょう。ただ、経営を考えると借入をせざるをえない場合もあります。

借金が嫌い

借金が好きな人はいません。借りたものは返さなければなりませんし、利息も伴います。

もちろん、フツーのサラリーマンだと住宅ローンとか自動車ローンなどくらいしか借金をする機会もないでしょうし、そういった業種の人は事業のために借金するということはありません。

もちろん、借金をしないに越したことはありませんが、超低金利でタダ同然で金を借りられるんだったら住宅ローン控除などの税制面のメリットを考えると借金したほうがトータル的にお得という場合もありますし、貯金だけで家を買おうと思ったら家より先に墓が立つ場合も多いでしょう。

意外と忘れられがちですが、借金というのはカネを借りると同時に「時間を買って」いるのです。

借金は時間を買っている

家の例と同じで、事業においても設備投資などを行う場合には多額の資金を必要とします。

手元に潤沢に資金があればよいのですが、大抵の場合はそこまで潤沢に資金はありません。そこで、将来の利益で支払うことを見越して借金をします。

貯金だけで設備投資をしようとしたら10年かかるハナシも、金を借りたらその場で設備投資が出来ます。その設備を活用すればより早く事業を拡大することも出来ます。人間の人生には寿命がありますから、利益を上げるんだったら早いほうが絶対にいい。

事業が拡大すれば、利益も大きくなり結果早めに借金が返せるということになります。

借金は時間を買っているという感覚がわかりますか?

返せる借金であれば良い

借金すると事業拡大が早く進むというハナシは前提があって、事業の計画に妥当性が有るということです。

カネを貸す方も、返ってこないと困りますから、事業の計画に妥当性があって、設備投資などをすれば事業が拡大するのかを真剣に検討します。

ということは、金を借りられるかどうかというのは自分の事業に妥当性が有るかどうかの証明にもなります。

その上で返せる借金ならばすればいいでしょうし、そもそも借りられないのであれば事業に妥当性がないということでしょう。

つまり、返せる範囲内の借金で必要があれば基本的には借りたほうがいいということです。 時間は有限ですので。