会計ソフトの導入で挫折しないコツ

会計ソフトを導入しようとして挫折してしまう人が多いですが、そういった人は考え方の転換が重要です。

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はじめから完璧を求めない

会計ソフト(弥生会計とか会計王とか、経理を行うためにデータの入力をするためのソフトの総称)を導入しようとする動機の多くは、いままでは手書きなどアナログな手段で経理を行っていたけれど効率化をすすめるため、などというのが一般的でしょうか。

自社で会計ソフトを入力し、会計データを作成する経理のやり方は、速報性に優れ、今後の対策を早めに取れるといったメリットが大きい反面、会計ソフトを扱える担当者がいなければならないというデメリットというか制約があります。

会計ソフトを導入しようする人や会社はたいてい真面目な人(あるいは会社)です。言い換えればきっちりしている。

キッチリしているというのは日本では美徳ですし、経理だけでなくビジネスの面でも美点であるのですが、そのキッチリしているというのも度を過ぎると足を引っ張ることになり、キッチリしているがゆえに会計ソフトの導入の妨げになります。

 

まずはプロに教わる

会計ソフトの導入にあたって、大きな障害となっているのは初期設定でしょう。初期設定は消費税をどうするとか経理方式とか勘定科目の設定だとかで、慣れていないと出来ません。

物事をはじめるとき、少々の費用や時間を惜しんで独学でやるよりも、多少のコストはきっちりと支払ってプロ(その道の専門家)に教えてもらったほうが結果的にうまくいきます。

弊社でも会計ソフトの導入サポートをお手伝いしていますが、その後の顧問を前提としていません。そういったサービスを行っている所は(探せば)ありますから、そういったところで教えてもらうのがいいでしょう。

独学でやってしまうと変な癖がついたりして、矯正するのにかえって手間がかかったり、変なミスが増えたりというのは経理だけでなく、スポーツや習い事をされていた人も経験があるでしょう。

 

自動経理はまだチョット早い

余談ですが、最近は自動経理を謳ったクラウド型のサービスが台頭しつつあります。個人的には、まだまだ実用に耐える水準ではないという見解です。もう5年とか10年経てば、実用に耐える水準まで来ている可能性はありますが…

自動経理と言っても、導入や設定は自分で行わなければならない部分がありますし、そのサービスが正しく作動しているかどうか、作動していない場合には修正しなければなりません。それは自分自身で行わなければならないことを考えると、現状は会計ソフトを使って、パソコンを使った経理がどのようなものなのか慣れて(理解して)おくのは有効でしょう。

 

まずはカンタンなところから

会計ソフトといえども、経理の1つですから、基本となるのはお金の動きです。お金の動きを記した帳簿(会計ソフトで言えばデータの集まり)を現金出納帳、預金出納帳といいます。

とくに預金出納帳は、もっとも基本となるものです。

なぜならば、預金の動きをそのままデータ化していくだけだから。

家計簿をつけるイメージで、データ作成(会計ソフト入力)が進められ、その過程で経理に必要な要素である勘定科目や仕訳といった概念がわかってきます。

預金出納帳ができたら、同じ要領で現金出納帳も作成できます。もちろん、給料や社会保険料の支払いなど難しいものもありますが、後回しでも大丈夫です。

変な喩えですが、まだハイハイ歩きの赤ん坊がいきなり自転車に乗るとか走るとかが出来ないですが、順をおってやっていけば誰でも走れるようになるのと同じです。ただ、順番をすっ飛ばしてやろうとすると苦手意識だけがトラウマのように残ってできなくなります。

カンタンな、預金出納帳をしっかりと入力するというのが実は一番近道だったりします。

わからないところをいつまでも考えない

データを作成していると(会計ソフトを入力していると)、勘定科目が分からなかったりするものが出てきます。

学校の勉強であれば、わからないことをじっくりわかるまで考えるのが正しいでしょうが、会計ソフトの場合はそんな悠長なことは出来ません。時間には限りがありますし、仕事は他にもあります。考えても、そもそも必要な資料が手元に揃っていないということもあります。

プロに教わるメリットはここで、とりあえす分からないところは保留して次に進みます。あとで聞けばよいのですから。

完璧を求めすぎて、かえって作業が進まないというのは経理では最悪です。とりあえずできるところまで進めておく。この考え方の転換がないと挫折してしまいます。

ひと月ごとを単位に進めていく

経理作業でも、会計ソフトの入力でもそうですが、作業を進めていく単位にも挫折しないコツがあります。

特定の作業だけをすすめるというものです。

処理しなければならないデータ量が6ヶ月分あったとして、領収書の整理を6ヶ月分全部やって、その次に現金出納帳を6ヶ月分全部やって…というような進め方は、初心者にはオススメしません。

慣れている人は作業の進め方や関連性をわかっているので良いのですが、作業の進め方や全体像・関連性がわかっていないのに特定のパーツのみを完成させても意味が無いからです。

だいたいどこの企業も1ヶ月単位で同じような取引をしているはずですから、1月ごとにデータを仕上げていく進め方のほうが作業の進め方や全体像・関連性などが分かりやすく、理解が早いです。

 

完璧を求めすぎず、適切な順序でやれば大抵の人はできるようになります。ちょっとしたコツというか意識の部分の問題ですが、構えすぎず気楽にやってみて下さい。