SOHOや小規模な企業の場合、自宅兼事務所という選択肢もありますが、一長一短があり、一概にどちらがいいとは言い難いです。
メリット
自宅件事務所のメリットは人によって、メリットとデメリットが入れ替わることもありますが、代表的なものは以下のとおりです。
・費用負担が少ない
自宅兼事務所ですから、新たに事務所を借りるよりも費用負担は少なくなります。
特にSOHOのスタート時などは事業資金に乏しいことも多いですから、そのメリットは大きいです。
・通勤時間ゼロ
自宅兼事務所は、職住近接の究極形ですから、通勤時間はかかりませんし、通勤交通費も節約になります。
会社勤めだと会社までの通勤時間がかかるのは当然として、通勤手当は会社持ちですが、個人事業主や自身が経営者で有れば、払うのは自分ですから、通勤にかかるコストは低い方がいいです。
やはり時間的なメリットは大きく、自分で商売をすると、いずれブチ当たる壁が「時間が足りない問題」ですから、通勤時間を極力減らすのは合理的です。
・子育てしやすい
子供が小さいと、熱を出して仕事を休まなければならない…というのはよくある光景で、子育て世帯の悩みのタネでもありますが、自宅兼事務所で有れば、ある程度は融通が効きます。
自宅と事務所が同じ場所にありますから、お昼ご飯の準備なども、時間と仕事量を工夫すれば可能です。
・いつでも働ける
これはメリットでもあり、デメリットでもありますが、仕事のできる環境がすぐ近くにあるということは、「いつでも」働くことが可能です。
フッといいアイデアが浮かんだとか、ちょっと気になることがあるとか、の時にすぐに仕事にできるわけです。
クリエイティブなお仕事にはいいかもしれません。
デメリット
メリットの裏返しが、デメリットとなりますが、人によって感じ方は様々なのが悩ましいところです。ここでも代表的なものを挙げておきます。
・プライベートと混同
最大のデメリットです。自宅と職場が同じということは、公私が必ず交わります。
そして、本人がよくても家族が気を遣います。
ご実家が商売をなさっていたご家庭で有れば経験があるかもしれませんが、本人はよくても家族は嫌な思いもしますし、イヤでなくても、気は遣います。
そして、プライベートと仕事の経費がごっちゃになりやすい。なんせ同じ場所にありますから。
・お客が気を遣う
来客も気を遣います。なんせ、ご家族とお目にかかるわけですから。
商売をしている経営者自身はよくても、相手がイヤに思っている…ということはあります。
逆に自宅を知られるというのも、なんとも難しい面があって、セキュリティの問題もあるでしょう。
来客が多いとか、来客を前提としている商売の場合には覚悟を決める必要はあります。
余談ですが、子供の頃に行った個人経営の散髪屋のトイレが兼用だったので、借りづらかったし足が遠のいたのを覚えています。
・いつでも働ける
先も述べましたが、自宅兼事務所はいつでも働けます。
昔のドラマなんかで見た、個人病院に深夜、人が訪ねてきて扉をドンドン、みたいな。
もちろん今は、救急医療とかも発達してますから、そうなことはないのでしょうが、それに近い覚悟は必要などきもあるでしょう。
個人的には「自宅と事務所は分ける派」
これはメリットデメリットが金銭的な問題だけでなく、時間とか価値観とかに関わってくる部分も大きいですし、家族構成などによっても、商売の種類によっても変わるでしょう。
だから、正解はありません。
私個人としては、仕事とプライベートでアタマを切り替えたいので、「自宅と事務所は分けたい派」です。
通勤に時間がかかるけれど、事務所の維持費もかかるけれど、「仕事は職場でするもの」「自宅には仕事は持ち込まない」ということによりメリットを感じますので。
れは性格もあるかもしれません、自宅兼事務所だと、のめり込みやすい・凝り性な性格だといつまでも働いてしまう危険性もあるので。
ですから、メリットデメリットだけでなく、自身の特徴や性格も、家族のある人はそれらの意向も考えて選べばいいと思いますし、人生の時々に応じて変えるというのも面白いかもしれません。