税理士が言う「何か変わったことないですか?」の「何か」とは

税理士はクライアントと定期的に打合せし、その際に「何か変わったことないですか?」と聞くことが多いですが、何か変わったことってなんでしょう。

大幅な売上増減

大幅な売上の増減は、税金や資金繰りに大きな影響を与えますから、「変わったこと」です。
売上が大きく伸びると、仕入れなどに必要な運転資金が増加することが多いため、資金ショートの懸念があります。

また、売上が増えれば連動して利益が増えることなどにより、税金も大きくなってしまいがちです。
逆に大きく売上が減った場合、売上代金の入金が減りますから、資金繰りが厳しくなることも。
売上が大幅に増減するのは、大きな影響を受けてしまいがちなので、特に注意すべきこととして覚えておきたいです。

大きな買い物

設備の投資を行うなど、大きな買い物をする場合には注意が必要なことが多いです。
大きな買い物すなわち支出をすれば、それが一括で経費となるのかの検討も必要ですし、消費税がかかっているのかも確認しなければなりません。

大きな金額ゆえに、「アテが外れると」税金への波及が大きいですし、場合によってはダメージも相当です。
「大きな買い物をするときは事前に相談してください」という税理士がほとんどなのはそういったわけです。

新店舗・新工場・移転

新店舗、新工場、本店の移転なども「変わったこと」です。
会社の構造が大きく変わってしまうことですから、お金の流れも変わるし、経理や税務も変わります。
これらはまた、行政に届出を行わなければならないので、税理士としては共有しておきたいところです。

届出そのものももちろん重要ではありますが、そういった共有すべきことが共有できない、換言すればコミュニケーションが取れてないと、決算などもうまく乗り切ることができません。

人が辞めるor人を雇う

人が辞めたり、新しく雇ったりは変わったことでしょう。
経理がしっかりとしていれば、税理士にその都度共有するほどのことでないと思われることもありますが、人が辞めたり新しく雇ったりとなる理由が、何なのかによれば、場合によっては先述の売上の大幅な増減などに結びついていくこともあります。

また、人の出入りは年末調整や給料計算などにも影響を与えますから、やはり「変わったこと」として共有しておくべきでしょう。

普段から頻繁には起こらないこと

こうしてみると、「何か変わったこと」は普段から頻繁には起こり得ないことを指しています。
頻繁に売上は大幅に増減しないし、大きな買い物も頻繁にはしない、新店舗も頻繁には出さないでしょうし、人も頻繁には辞めない。

他にも、頻繁に起こらないことは「変わったこと」です。
融資を受けたとかもそうでしょう。
いずれにせよ、普段から起こらないようなことが起こりそうだったら共有しておくと、税理士からアドバイスを引き出しやすいでしょうし、相談することによって自身のアタマも整理されますから、変わったことは意識しておきたいところです。