交際費いくらまで使えますか?の答えはない

交際費がいくらまで使えるのか?は気になるところで、まだまだ使える余地があってお金が多少なりとも余っているなら、少しくらいは使いたいと思うのが人情というものですが…

交際費は経費なのか?

会社の売上を得るために、「なんらかの形」で犠牲になったものを経費と考えます。

分かりやすいのは仕入で、モノを売るにはモノを買ってこなればならず、買ってきたモノ(仕入)を売ってこそ「売上」が得られるわけです。

「地代家賃」も同じく、モノを売るためにはお店が必要なので、その家賃(地代家賃)も売上をあげるために犠牲になったといえます。

ところが交際費は、売上を得るために犠牲になったのか?というと微妙な面があります。
得意先と食事にいって、お酒を飲みながら仕事の話をしたり、仲良くなって今後の仕事が円滑に進むようになった…… みたいな。

売上を得るための犠牲になったと言えなくもないし、売上に貢献していないといわれても仕方がないような。ですから、そもそもが交際費は経費として微妙な立ち位置にいるということが前提にあります。

交際費には上限あり

経費としては微妙、つまり「売上に貢献していないのではないか?」という考え方が前提にありますから、交際費は本来ならば経費とはなりません。

しかしながら、全く経費でないとするとそれはそれで「厳しすぎる」ということにもなります。
世の実情として、酒食を共にして親睦を図ることで交渉などが上手くいくという側面は否定しきれませんので。
そこで、中小企業では年間800万円を限度に交際費を認めています。

交際費の範囲は難しい

ただし、この800万円に認められるものは、先にも述べたとおり、売上に貢献しているものが大前提ですので、何でもかんでも認められるということでもありません。
交際費の範囲は、初心者にはなかなかに難しく、それだけで分厚い本が一冊書けてしまうくらいの内容です。
初心者は、まず「売上に(ある程度は)貢献しているもの」であるということを念頭に考えていくべきでしょう。

交際費いくらまで使えるのか?

ここまで来ると、冒頭の「交際費はいくらまで使えるか?」という質問に対する明確な解答が「無い」ということが分かります。

つまり、その支出がまず売上に貢献していなければならず、そうでなければ800万円の枠内にそもそも入りません。
また、「売上に貢献する」という考え方は業種や業態によって全く異なるものでもあります。

人脈・ネットワークを活かして行う必要がある商売と、対人的なやりとりをあまり必要としない商売では、交際費の範囲も同じというわけにはいかないでしょう。

明確な金額の基準は「無い」ので

以上のように、交際費はいくらまで使えるのか?に明確な金額の基準はないということですので、自社なりの妥当なところでやっていくしかないというのが実情です。

利益がほとんど出ていない会社が、交際費をガンガン使っているというのは、理屈からするとおかしいですし、社長の役員報酬が少ないのに交際費が極めて多いとかだと、これまたツッコミどころが大きいわけです。

なので、他人に突っこまれて言葉に詰まるような支出は控える、他人に突っこまれてもキチンと説明がつく(金額的にも)のであれば、堂々と交際費とするという本筋で考えるべきでしょう。