会社に飾る「花」の経費性と勘定科目について

事務所に飾る「花」ですが、経費として認めらるのでしょうか?その場合、勘定科目は?

「花」と売上の対応関係

この業界に入ってからずっと疑問に思っていたこととして、事務所に飾る花の経費性はどのように考えれば良いのか?ということです。

そもそも経費とは、売上との対応関係があるものでなければならず、その対応関係が不明確なものは交際費のように、制約が課せられます。

仕入のように直接売上と紐づいているものは疑問の余地はなく、地代家賃や旅費交通費のように間接的な対応でも、「事業」に必要なものとして経費となるのは、これまたよく分かる話です。

「花」の経費性

経費の見分け方として、よく言われる考え方が「事業をしていなければ支出しなかったもの」が経費という考え方です。

事業をしなければ、事務所は必要ないから事務所の家賃は経費になる。
事業をしなければ、事業に伴う移動はないから、その交通費は経費になる。
事業をしなくてもお昼ご飯は食べるから、単に昼食を取っただけでは経費とならない。

事業をしていなくても花を飾る人はたくさんいますから、花の経費性は…
と考えるとなんとも難しい気もします。

「花」と事業の関連性

単に昼食を食べただけでは経費ではありませんが、得意先とランチしながら打合せた、のように事業と関連すればもちろん経費となります。

花もそのような考え方です。
花を飾るのは自己の観賞用ということもあるでしょうが、社員や来客など見る人の気持ちを和ませ、業務の効率をあげたり商談などを円滑にするための一つのツールです。
となれば花も立派に事業と関連(対応)しているので経費となるわけです。

美術品は経費になる

花と似たような、つまり会社に飾るものとして「美術品」があります。絵画とか像(ブロンズ像)とか。
花は枯れてなくなりますが、美術品は枯れたり朽ちたりしませんから、飾る目的であればこちらのほうがコスパはいいかもしれません。
美術品も一定の金額の要件などを満たすと経費となります。

美術品が経費となって節税につながったりすることもあるため、ネット上でも、そのことについて触れたサイトは見かけるのですが、なぜ経費になるのか?という経費性については触れられていません。
慣習的に?経費と考えると雑なので、おそらく花と同じように、会社に飾り付けることによって、従業員や出入りするお客さんや取引先のこころが和んで業務効率が上がったり、取引が円滑に進んだりという効果があるのでしょう。
空気清浄機のように、空気が綺麗になるという効果がわかりづらいのが気持ち悪いですが、多くの事例があるので経費ということは間違いないでしょう。

勘定科目は?

会社に飾る花の勘定科目は、これまた判断の難しいところです。

「消耗品費」とする場合と、「雑費」とする場合が多数派のようですが、他に適当な勘定科目がないので、個人的にもこれらのいずれかにせざるを得ないと思います。

花は枯れてなくなってしまうということ、ある種の少額の備品的な性格を帯びているこたなどから「消耗品費」が一番近いかなと。
「雑費」は、その他の経費という意味ですから、その性格上、経常的な支出に使用するのは適当ではないと考えます。