会計ソフトに領収書を入力する際、「まず日付順に並び替えるべきか?」と悩む方は少なくありません。とくに初心者や時間に追われる個人事業主・中小企業では、Excelで事前に並び替えたり、入力前に整理する手間が無視できない負担となりがちです。
しかし実務上は、領収書は順不同でも問題なく、会計ソフトが自動で並び替えてくれるため「とりあえず入力」することが効率化の第一歩になります。本記事では、そうした誤解を解き、実務の時短につながる入力法を解説します。

よくある誤解「領収書を並び替えてから入力すべき?」
経理作業をする場合に、専用ソフトを導入する余裕のない中小企業や個人事業主では会計ソフトに入力をせざるを得ません。
初心者のかたでよく見かける失敗例として、領収書(レシートも含む)を並べ替えてから入力をするというものがあります。
日付順に並べ替えたほうが入力しやすいと思われるかもしれませんが、日付をバラバラにして入力しても、会計ソフトが勝手に並べ替えてくれるので、事前に日付順に並べ替える意味はありません。
領収書は順不同でOK!会計ソフトが自動で並び替える
細かな順番など考えず、とにかく目についた領収書(レシートを含む)を手当たり次第に入力していけばいいわけです。(もちろん、重複をするとマズいので未入力のものと入力済みのものを分ける必要はあります)
会計ソフトは同一事業年度の入力は勝手に並び替えてくれるので、事業年度が当期のものであれば問題ありません。(会計のルールとして過年度のものは入力してはいけません)
わけるとすると、支払の方法で分けるのは意味が多少はあります。現金支払いなのか、預金支払いなのか、クレジットカード決済なのかというふうに。現金支払いは現金出納帳から入力、預金支払いは預金出納帳から入力、クレジットカード決済は振替伝票から入力となることが一般的なので、分けていれば入力がスムーズです。
Excelでの整理は必要?効率と手間を比較
また、会計ソフトに入力をする前にExcelなどに事前に入力をして整理をしている人もチラホラと見かけます。
Excelがいいのか、会計ソフトがいいのかという問題は、いろいろな観点がありますが、基本的には会計ソフトのほうが簿記知識無しでも様々なことができるという点で有利性が大きいので、よっぽどExcelが好きだとかの事情がない限りは会計ソフトでやったほうが無難でしょう。(コストがかかるというデメリットがありますが、時間をかけて簿記や会計の深い勉強をするよりはコスパはいいと思います)
領収書(レシート)→Excel→会計ソフト
とするより
領収書(レシート)→会計ソフト
とするほうが工程が一個少ない分だけ効率的です。
年齢が上の人はExcelではなくて、振替伝票を使っている人もいますが理屈は同じです。会計ソフトに入力したデータをExcelにエクスポートもできるし、Excel入力したデータを会計ソフトにインポートもできるものもあります。
ただ、インポートは特に知識が必要になりますから、税理士と相談して経理フローを組むのも有効ですし、そうでなければ会計ソフトに直接入力のほうが、習熟度が上がるという点も踏まえて有利だと思います。
ちなみに領収書を並べ替えず適当に入力しても会計ソフトが並べ替えてくれます。並べ替える際には、弥生会計だと「F5」のボタンをおせば日付順になります。(いちいち画面を閉じて開いてをしてる人も見かけますがF5と覚えておいたほうが楽ですし、時間も速いです)
実務を効率化するには「とりあえず入力」が正解
領収書などを入力する際に、並び替えず「とりあえず入力」することが効率化の観点からも最も有効です。
並べる手間は何も生み出しませんし、会計ソフトが並び替えてくれるからです。
また、入力の際に詳細がわからないので、ずっと考え込んでいるという風景もよく見かけますが、これもまた時間がもったいないので、不明な仕訳は仮で入力しておいて最後にまとめて直せばよいです。
会計ソフトには付箋機能などがあって、不明な仕訳などは付箋を付けておいてあとでまとめて顧問税理士と相談するとか、関係部署に尋ねるとかすればいいので。