個人事業主や法人に関わる商売としてコンサルや税理士がありますが、コンサルと税理士は基本的な立ち位置が違います。
コンサルはすぐに結果を求められる
コンサルはすぐに目に見えた結果を求められる商売です。何か悪いことがあると、その原因を突き止めて、対処法を考え実行する。
多くの場合、コンサルは困りごとを解決するという商売ですので、短期的な結果が求められるわけです。
税理士は長い目で見る
税理士の最も大きな職務は、税金を適正に申告することです。クライアントとなる個人事業主や法人は、年に一度は必ず税金の申告をしなければらないため、顧問契約のように長期契約を結び、継続的に税金が適正に申告できる土台を整えていきます。
顧問契約をすることが多いので、必然的に長期的な視野でクライアントのことを考えていきます。
外科手術か漢方薬か
性急に結果を求められるコンサルが取る手法は、大かがりな変化をもたらすものも少なくなく、それは会社の負担も大きいです。
例えるなら外科手術のようなものでしょう。
税理士が取る手法にも、劇的な変化をもたらすものもありますが、どちらかというと徐々に変化させることが多いです。やはり、顧問契約があるので、長期的に取り組むことが可能だからでしょう。
顧問契約があるので、何年にもわたってクライアントを見ていますから、すぐに変化に気付けるので、劇的な手法を取らなくても良いというのもあるでしょう。
報酬体系の違い
税理士は継続的に関与しますから、月々の顧問報酬を頂戴します。
一方でコンサルは、案件ごとに報酬を得るので、「〇〇するといくら」という感じです。
関与の仕方が違うから、報酬体系が異なる。
先にも述べたとおり、税理士は継続的に報酬を得るので長期的な視野で考えるので、あまり劇的な手法は取りたがらないでしょうし、コンサルは逆に、短期的に結果を出すあるいは報酬を得なければならないので、何をしてもフィー(報酬)が発生する。
視点が違うから
そんなわけで、コンサルと税理士は視点が違いますから、意見が対立したり、意見は一致しても手法が異なったりするはあり得ます。
優劣の問題ではなく、視点や立場が違うから仕方のないことでしょうし、同じなのであればそれはそれで危険だとも思います。
それぞれの立場の違いを理解したうえで、たいていの会社(中小企業)は税理士と契約しているでしょうから、その税理士が信用できるならばその税理士に相談したうえで、劇的な変化が必要なときにコンサルを利用するというのが、費用的にも時間的にも、合理的かと思います。