相続税申告の税理士費用|報酬の目安と加算・別料金になる業務

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相続税申告を税理士へ依頼する際は、相続税の納税額だけでなく、税理士報酬も含めて費用を見込んでおく必要があります。

当事務所では、遺産総額に応じた基本報酬に、財産取得者の人数、土地や取引相場のない株式の評価、申告期限までの期間などに応じた報酬を加算し、個別にお見積もりします。

この記事では、当事務所を例にしながら相続税申告報酬の考え方と、加算・別報酬となる主な業務をご説明します。

相続税申告の報酬は遺産総額を基礎に計算する

当事務所では、相続税額でなく「遺産総額」を基礎として基本報酬を計算し、必要な加算を行ったうえで、個別にお見積もりします。

遺産総額が増えるほど、確認すべき資料や内容が増え、時間を要すること、判断のための考慮すべき事項が増えるため、遺産総額の多寡に応じて基本報酬が変動します。

報酬計算の基準となる遺産総額は、借入金などの債務や葬式費用を差し引く前、小規模宅地等の特例による減額を行う前の金額です。生命保険金や死亡退職金についても、非課税限度額を控除する前の金額を基礎とします。

これらを適用して相続税の課税対象額が減っても、財産調査や評価に必要な作業がなくなるわけではないためです。

また、配偶者の税額軽減などによって納付税額がゼロになる場合も、申告が必要であれば、財産調査・評価・申告書作成などの業務が必要になります。

相続税の納付額と、税理士の作業量は、必ずしも比例するものではありません。

申告報酬が加算される主な場合

財産を取得する人が複数いる場合

相続人の人数(当社では財産取得者の人数としています)に応じて、報酬の加算があります。

相続税申告では、財産全体を把握するだけでなく、財産を取得する方それぞれの状況によって課税価格や税額控除等が変わるため、それぞれのご状況を確認する必要があるためです。

資料収集や連絡については、相続人の中で窓口となる方を決めていただくと、確認を進めやすくなります。

申告期限が近い場合

申告期限(原則として相続開始日から10ヶ月後)までの期間が短い場合は、報酬を加算することがあります。

確認のための資料の一部は申請から入手まで時間を要すること、短期間でそれら資料を確認し、財産調査、評価、遺産分割の検討、申告書作成まで進める必要があるためです。

残りの期間だけでなく、資料がどの程度そろっているか、財産評価や遺産分割がどこまで進んでいるかによっても、対応の負担は変わります。

資料が全部そろうのを待たず、早い段階でご相談いただくことをお勧めします。

財産評価に調査・検討が必要な場合

土地や取引相場のない株式(非上場株式)など、他の財産よりも評価に調査・検討を要するものについては、内容に応じた加算があります。

土地は、路線価と面積だけで評価できるとは限りません。形状、接道状況、利用状況、権利関係などを確認し、必要に応じて現地や役所での調査を行います。

取引相場のない株式についても、会社の決算書や申告書、所有財産などを確認したうえで評価します。

同じ遺産総額でも、預貯金が中心の場合と、こうした財産が含まれる場合とでは、必要な作業や確認事項が異なります。

通常の申告報酬とは別に費用がかかる業務

相続税申告に関連する業務が、すべて申告報酬に含まれるわけではありません。主に次のものは、別途お見積もりとなります。

準確定申告

亡くなった方について所得税などの申告が必要な場合は、相続税申告とは別の業務になります。

なお、準確定申告期限はは相続開始から原則として4ヶ月以内です。

事業や不動産賃貸などがある場合は、相続税申告と併せて必要性を確認します。

詳細な二次相続シミュレーション

通常の分割案の検討では、特例の適用、各人の税額、納税資金などを確認します。

一方、将来の二次相続まで複数の条件で詳しく比較する場合は、配偶者がもともと所有している財産や、今後の財産の増減なども確認する必要があります。

こうした詳細なシミュレーションは、通常の分割案の確認とは別の業務として取り扱います。

資料収集の委託

資料収集は、相続人の方にもご協力いただきます。

ご自身での取得が難しい資料については、委託できるものもあります。ただし、取得手続に対する追加報酬や、証明書の発行手数料などの実費がかかります。

司法書士など、他の専門家へ依頼する場合の報酬も別途必要です。(当事務所では、戸籍収集や、相続登記のための分割協議書の作成は原則として司法書士に委託します)

期限後申告・申告後の追加手続

申告期限を過ぎた相続税申告は、状況を確認したうえで個別にお見積もりします。

また、新たな財産の判明、申告後の遺産分割の成立などにより、修正申告や更正の請求などが必要になった場合は、当初の申告報酬とは別にお見積もりします。

税務調査への対応

相続税申告後に税務調査が行われる場合の対応は、別報酬です。

申告時に必要な確認や資料整理を行うことと、その後の税務調査に立ち会い、追加の説明や資料提出を行うことは、別の業務になります。

当初の見積もりが変わる場合もある

相談の段階では、財産の全体像や評価に必要な作業が、まだ分からないこともあります。

そのため、最初にお出しする見積もりは、確認できている情報に基づく概算となる場合があります。

例えば、財産調査で新たな財産が判明した場合や、当初分からなかった権利関係・評価上の事情がある場合は、報酬が変わる可能性があります。

また、資料収集の委託や詳細な二次相続比較など、追加の業務を依頼される場合も、当初の見積もりとは区別して確認します。

報酬は相続税申告業務全体に対する金額

お見積もりする報酬は、今回の相続税申告業務全体に対する金額です。相続人一人あたりの料金ではありません。

相続人の人数による加算も、各人に同額の申告報酬がかかるという意味ではなく、確認・作成する内容が増えることに対応するものです。

当事務所の報酬を相続人等の間でどのように負担するかは、ご家族でお決めください。当事務所が、各人の取得財産や相続税額に応じて申告報酬を割り振るものではありません。

まとめ

当事務所の相続税申告報酬は、遺産総額に基づいて基本報酬を算定します。ただし、相続人の人数、申告期限までの期間、財産評価の内容などによって加算があります。

また、準確定申告、詳細な二次相続シミュレーション、資料収集の委託、申告後の追加手続、税務調査対応などは別業務となります。

まずは財産の概況と申告期限、依頼したい内容をお知らせください。必要な業務を確認したうえで、個別にお見積もりします。

この記事を書いた人
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税理士・佐野匡司
大阪の小さな事務所を運営する現役税理士。
官報合格(試験合格)+実務経験15年以上。
中小企業オーナーや資産形成を志す個人(特に共働き夫婦・パワーカップル)に向けて、
「リスクを抑えたお金の戦略」を発信中。

保険・投資・不動産などの販売とは無縁の独立系の立場から、
中立的で実務に根ざした情報をお届けします。

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